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230 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/02/25(水) 03 14 36 ID JK8ge.Bs 長いことお待たせした上、まだ続きという体たらくですが一応投下します 鎮守府慰安労働大和編、中編です 231 名前:鎮守府慰安労働[sage] 投稿日:2015/02/25(水) 03 15 19 ID JK8ge.Bs 仕事を終えた東は約束通りに大和の部屋の前に来ていた。 二日前、大和の入渠の手伝いをした際に交わした約束を果たすためである。 しかし気が進んでいるわけではなく、その足取りは二日前と同様に重かった。 未だ部屋の扉をノックすることができないまま、立ち竦んでいるのもそのせいである。 そこへ一人、人影が東に向かって歩いてくる。 月の光のような白銀のショートカットの髪に、陽炎型駆逐艦の制服に身を包んだ少女。 駆逐艦とは思えないほどボリュームに満ちた身体は、浦風と肩を並べるかそれ以上の逸品。 大きさや形だけはなく、歩くたびに柔らかに揺れる様は世の男の視線を引き付けるだろう。 彼女、駆逐艦浜風は東のもとへと歩み寄って口を開いた。 「東さん。大和さんの部屋の前で何をしているんです?」 「あぁ、浜風か。大和さんに呼ばれてたんだが、どうも踏み込めなくて」 「呼ばれたのですか? この時間は部屋に戻っているはずです、では」 「はいはい、おやすみ~」 浜風を見送り、東は一息挟んでから扉をノックした。 乾いた音が鳴るのに続き、入室を促す大和の声に従って部屋に足を踏み入れる。 瞬間、東は自身の目を疑いたくなるような光景が飛び込んできた。 「や、大和さん!? なんて格好してるんですか!?」 「……ふぁい?」 部屋に入った東を待ち受けていたのは、すっかり頬を紅潮させてベッドに座る大和の姿。 それだけではなく、普段から身に付けている服は前の部分が大きく縦に開いている。 サラシすら巻かれていない豊満な胸は、危うく頂点すら曝け出しそうなほど。 そのまま腹、下腹までざっくり開いた服は惜しげもなく大和の肌を露わにしている。 片手には一升瓶が握られており、口元からはだらしなくよだれが垂れていた。 「お酒、飲んでたんですか?」 「そーですよー、一緒に呑む相手がいませんからね! 悲しく一人酒ですよーだ!」 「別にそこまでは――ちょっと、大和さん!?」 「ほっといてください!」 へべれけ状態の大和に驚いたのも束の間、続けて東は目の前の光景を疑った。 手に持っていた一升瓶の口を、大和は咥えて背中を反る。 次の瞬間、東にはっきり聞こえるほど二度、三度と大和は大きく喉を鳴らした。 見ているだけでも胸やけを起こしそうな、普段の大和からは想像もできない光景。 喉が鳴るたびに揺れる豊かな胸に、思わず視線を引き寄せられるがそれどころではない。 これほど乱れるには大和に何かがあったに違いなかった。 その時、やっと一升瓶から口を離した大和が自身の隣をポンポンと叩き始めた。 「んっ」 「へっ?」 「んーん、んーっ」 「……横に座れってことですか?」 「んっ」 口に酒を含んだままの人間に言われてこれ以上不安な言葉もそうはない。 拭いきれない不安、そして何かがあってもすぐに対応できる心構えを用意した。 大和のベッドは青葉の使っていた二段ベッドではなく、一つのベッドとして独立している。 どちらかが暴れても、柵や柱にぶつかって怪我をすることを考えるほど狭くもない。 いざとなれば思い切ってベッドに身を投げれば、十二分に逃げる猶予は作ることができる。 一通り脱出用のプランを頭に思い描いてから、東はベッドに近付いていく。 一歩一歩踏みしめるように大和のベッドに歩み寄りながら、警戒は微塵も怠らない。 何が起きるかは大体予想できている、ある程度悪酔いした人間がやりそうなことだ。 二人の距離はすぐに縮まり、東は身を翻して静かに大和の横に腰を下ろす。 瞬間――大和が起こした行動の始動を見切った東は、躊躇わずベッドに身を投げた。 被食者が取るもっとも有効な手段は抵抗ではなく、逃走である。 しかし東の上を行ったのは大和だった。 気付いた時には既に遅く、東の眼前には大和の顔がある。 口いっぱいに酒を含んだまま、怪しい笑みを浮かべていた。 同時に東の両手首は掴まれ、ベッドの上に押し付けられながら仰向けに押し倒される。 そのまま大和もろとも倒れ込み、東の唇に今まで経験したことのない柔らかさが触れた。 「んっ、ふぅむ、ん~ぅ……」 「ん、んんっ! んんんんーー!!」 唇に伝わる心地良い柔らかさの正体に、東が気付くのに時間はかからなかった。 大和の唇で口を塞がれ、息苦しそうに東が足をばたつかせるが状況は変わらない。 足を動かしたところで、大和は東の腹に跨っているおかげで気にすることもない。 万歳の体勢で抑え込まれている手は動かすこともできず、押し退けることなど無理の一言。 加えて容赦なく唇をこじ開けられ、酒を流し込まれながら舌で口内を蹂躙される。 息苦しさに喘いでいるはずの東の息は、いつの間にか熱を帯び始めていた。 「ぷあっ! や、大和さん……」 「顔が真っ赤ですよ、東さん。さあ、お酒に続いて、んっ」 「う~、うぅ、んん~~!」 ようやく口内の酒が喉を通り越し、酒に充てられた東の意識が揺らぎ始める。 抵抗する力すら抜けていく中、大和は一息つく間も与えず続けて唇を重ねた。 苦しげに漏れる東の息すら呑み込まれてしまいそうなほど深い口づけ。 強く押し付けられる唇からも、抑えつける大和の両の手からも逃れることはできない。 くぐもった水音を上げながら、二人の舌が絡み合う。 「や、やふぁとさん、やめて」 「放しません。もっと、もっとですよ」 お互いに校内で舌先を撫で合う瞬間、東は自身の舌が火傷したような感覚を覚える。 舌同士が触れ合うたび、感じたことのない熱に包まれたような不思議な感覚を覚えていた。 同時にその感覚は心地良さへと変わっていき、徐々に東自身の動きも変わっていく。 気付けば離れようとしていた舌を突き出し、積極的に大和の舌を求め始めていた。 ざらざらした舌の感覚が擦れあい、火傷しそうなほどの熱がどうしようもなく心地良い。 触れ合う唇の柔らかさには中毒性すら覚え、離れがたい誘惑の波となって東を誘う。 唇と舌に走る心地良さから逃げようと考えることすらなくなってしまっていた。 それが酒による酔いか、東自身の意思なのかを考える余裕すらなくなっている。 やがて静かに両者の唇が離れ、唾液のアーチが短くつながった。 「大和さん、もうやめてください……」 「もう止まれないですよ、よいしょっと」 抵抗の意思すら薄らぎ始めた東の上で、大和は身体を半回転させる。 同じ方向を向いて重なっていた姿勢から一転、東の目の前には大和の下着と尻があった。 驚きのあまり跳ね上がろうとするも、大和自身が身を挺してそれを許さない。 上に乗っているだけではなく、しっかりと体重を落として抑え込んでいる。 東の腰に腕を回し、身体を密着させて抵抗することも許さなかった。 一方で東の抵抗は非常にささやかなものとなり、押し返すことは難しくなっていた。 抵抗を試みればもがくことくらいは出来たものの、そこから先には程遠いものでしかない。 しかも身体を動かすたび、相手が大和であり女性であることを意識させられてしまうのだ。 目の前に見せつけるようにして晒された大和の尻は形よく柔らかそうに揺れ、劣情を誘う。 視界いっぱいに広がるその光景に、今にも撫で回したくなってしまっている 腹に感じる大きなもの、抵抗の意思を削ぎ取るような二つの双丘も例外ではない。 お互いが動くたびに形を変え、身体にまとわりついてくるような感覚は心地良さの塊。 視界の左右を覆っている太ももも視界に訴えてくるだけではない。 女性特有の香りを東に漂わせながら、肉付きも形もいい太ももはあまりに性的だ。 理性も何もかも投げ出して抱き付き、押し寄せる心地良さを思いきり味わいたくもあった。 抵抗する手が、時折大和の胸や太ももに伸びそうになるのを堪えるのも徐々に辛くなってくる。 その時、東の顔からサーっと音が出そうなほどの勢いで血の気が引いた。 大和の眼前であろう場所で、東のソレが外気に晒されたのを感じたからだ。 「や、大和さん! それだけは、それだけはやめてください! 早くしまって!」 「ん~……?」 慌てふためく東をあざ笑うように、大和は少し身体を動かしてうつぶせのまま振り返る。 酔いが回ってきているのか、紅潮しきった頬に目も据わっていて、返事はイエスもノーもない。 ただの相槌を打ってから、静かに大和はゆっくりと微笑みを浮かべた。 一瞬背筋に寒気が走るほどの微笑みに続き、大和はそのまま身体を起こす。 同時に大和は東の顔に座り、数度位置を気にするように腰を動かした。 「嘘はいけませんよ東さん、こんなに大きくしておいてやめてくださいなんて、でしょう?」 「ん~! んぐう~~!!」 「苦しそうですね。でも、どんどんそちらの方は大きくなってきていますよ?」 「んん~、んん~~!!」 多少自由になった足をばたつかせたところで、東の抵抗は抵抗らしい抵抗にはならない。 今の身体を動かす感情があまりにも多く、混乱した東の抵抗は子供の駄々にも等しかった。 とにかく状況を打破しなければいけないと焦れば、効果のある抵抗は出来なくなる。 自分自身の象徴を晒され、見られてることを恥とすれば隠すことに意識が行ってしまう。 息苦しさから逃れようとすれば、抵抗は緩くなり息をすることに集中してしまう。 何より、憧れの大和に顔面騎乗されているという現実が何より混乱の種となっていた。 視界は大和の下着で埋め尽くされ、普段味わうことのない女性の下着の感覚。 同じ人間の身体とは思えないほど柔らかく、扇情的な女性の尻の感覚。 憧れの女性に象徴を見られ、恥ずかしいのに抵抗を許されない背徳的な感覚。 そしてその状況を嫌だと思いながらも、快楽に直結していることが最大の原因だった。 かつて青葉に拘束された時のように、それを良しとして感じてしまっている自分がいる。 「じゃあそろそろ触ってあげましょうか、それっ」 「んっ、んんっ!」 騒ぐ東のことなど気にもかけず、視線は反り返っている東のソレへ。 顔面騎乗の体勢のまま、大和は少し前かがみになって東のソレを手のひらで包み込む。 集まってきた血液のおかげでこれ以上ないほど硬くなったソレに触れるのは、大和も初めてのこと。 ゆっくり、ゆっくり、手のひらで覆ってから掴むまでにはやや時間を要した。 「か、硬くて、熱いですね。それになんだかぬるぬるしてますよ?」 「ん~! ん~!」 あまりの恥ずかしさに、思わず東の手が伸びた。 腕だけでもなどという戦略的な思考は全く存在していない、ただ大和を止めたいだけ。 大和がソレに触れるのを阻止したいという、恥ずかしさからくる行動だった。 しかし大和に顔に座られている東が、的確に手首を掴めるわけもない。 「……東さん。どさくさまぎれにおっぱい揉まないでくれますか?」 「んっ!?」 「全く。初めて会った時も、今この時も、今度という今度は許しません」 「ぷはっ。違うんです大和さん! 話を聞いてんぶぅっ!」 一瞬、大和が腰を上げたものの、すぐさま体勢は元通りになった。 大和は器用にも東の両腕を折りたたんだまま、自身の膝の裏に挟んで再び腰を下ろす。 顔面騎乗に加えて、さらに両腕まで拘束された東の状況は最悪といってよかった。 「しばらく大人しくしていてください、さぁ。行きますよ」 「――っ!!」 大和の手が既に先走りに濡れた東のソレを扱いた瞬間だった。 うめき声すら上げられないほどの快楽の波が東に襲い掛かり、一度大きく痙攣する。 吹き出した先走りが、東のソレどころか大和の手にまで降りかかった。 一頻り東の痙攣が収まったころ、大和は静かに口を開く。 「そんなに気持ち良かったんですか? 少し驚きました」 本当に驚いたのだろう、自身の手を見ながら大和は目を丸くしている。 しかし応える余力もないのか、東は大和の下で呼吸するのが精いっぱいの様子だった。 そんな姿を見た大和は手を収めるどころか、さらに行動がエスカレートしていく。 「でもこれはお仕置きです。少なくとも、出てしまうまではやめませんからね」 言うが早いか、勢いに乗った大和は再び東を顧みることなく再び手を動かし始める。 先走りに濡れたおかげか、大和の手は東のソレを滑らかに扱いた。 大きく根元から先へ、先から根元へ往復するたびにくちゅりくちゅりと粘り気のある音が響く。 大和の手のぬくもり、柔らかさ、そして先走りのぬめり気がもたらす不思議な快楽。 東が果てそうになるのに、そう時間はかからなかった。 「んんっ、んん~~」 「どうしました? 東さん。もしかして出ちゃいそうですか?」 「んっ――!? んんっ!」 「恥ずかしがらなくていいです。ほら、もっと色々してあげます」 先に呑んでいた酒のせいか、はたまた純粋にテンションが上がってしまっているのか。 楽しげな笑みを浮かべた大和の手つきが、熟練者に見えるほど小刻みに手慣れたものになる。 左手で東のソレを抑えながら、右手のひらで勢いよく亀頭をこする。 吹き出す先走りを塗り込むような動きに、東の口から悲鳴にも似たうめき声が漏れた。 「すごく気持ちよさそうですね~。じゃあこれも気持ちいいですか?」 続けて大和はソレの皮を根元まで下ろし、露わになったくびれの部分に指を這わせる。 “カリ”と呼ばれる部分をこすられるのと同時に、東の悲鳴にならない悲鳴が響いた。 大和に顔面騎乗されたままの東は抵抗だけでなく、何をされているかの視認も許されない。 なすがままの姿勢で悶えるしかできない東の姿、今の大和にとって面白いものなのだろう。 しばらく亀頭やカリといった、集中的な攻めを展開し続けたところで大和の手が止まる。 東を手籠めにしながらすっかり楽しんでいた大和の表情がやや曇っていた。 体勢は変えず、目を細めながらじーっと東のソレを凝視し続けている。 先からはとどまることなく先走りを流し、小刻みに震えて今にも射精してしまいそうなソレ。 何か納得しない様子で、大和は頬を膨らませながら東の上に倒れ込む。 「それにしても、なかなか出ませんね。我慢強いというか、何というか……」 「はぁ、はぁ、もういいでしょ、大和さん。勘弁してください」 「いーえ! これだけやって出さないなんて、女として納得いきません!」 「まだやるんですか……」 「そうだ!」 ようやく顔面騎乗から解放され、息も絶え絶えの東の上でふと大和がひらめいた。 嫌な予感しかしない東だが、もう大和を動かす体力など残ってはいない。 「何する気ですか?」 「出てくるものなら、吸い出せばいいんです!」 「はい?」 「行きますよ~。はむっ」 言い分を理解するよりも先に、東のソレは大和の口の中に呑み込まれた。 先走りとは比べ物にならない粘り気と、熱さすら感じる口内の体温が一気に襲い掛かる。 同時にソレ全体を呑み込んでしまいそうなほど強く、大和が口をすぼめて吸い上げた。 言葉通り吸い出されるように、ソレから堰を切ったように精液が迸る。 こうなってしまっては、東にできることなど本当に何一つなくなってしまった。 視界に火花を散らす凄まじい快楽に耐え、大和にしがみつきながら身体を痙攣させる。 我慢に我慢を重ねた東が吹き出した精液は、あっという間に大和の口内を白濁に染める。 それだけではなく、口内で跳ね回りながら最後には大和の顔に精液をぶちまけていた。 同時に信じがたいことが起きる――。 「なんて濃い、男性の匂い。あっ、嘘っ? 私、あっ、あぁ、んっ――!」 「もう、今度は何ですか?」 「ご、ごめんなさい、私、私……ああああぁぁぁぁ~~!!」 精液を浴びた瞬間、自らの秘所を抑えながら大和がびくびくと痙攣し始めた。 東に全く触れられておらず、終始責め続けていた大和の突然の絶頂。 加えて下着はびしょびしょ、下にいた東すら潮まみれになるほど勢いよく潮まで噴いた。 何が起こったのか東に分かるわけがない、大和自身何が起きたのか分かっていない。 ただベッドの上には、互いに絶頂を迎えた大和と東が力なく横たわっているだけだった。 238 名前:鎮守府慰安労働[sage] 投稿日:2015/02/25(水) 03 20 19 ID JK8ge.Bs 以上で大和編、中編は終わりです えっちなお姉さんって感じの大和を書きたい→酒の力という短絡的な発想 今月中にできれば結末まで書きたいかなと思っています それではまた、 239 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/02/25(水) 08 28 24 ID Afbo4aLU GJです! これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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GM(提督):bottle 開催予定日:10月3日(金)の2200~2500より開始致します。 卓場は「どどんとふ むせる」を予定しております。 ・ストーリー きみたちはとある鎮守府に所属する艦娘たちだ。 ある日、きみたちの元へ古ぼけた懐中時計を持った艦娘が訪ねてきた。 その艦娘言う。「助けて欲しい」と。 「過去にあった“悲劇”を、どうか防いで欲しい」と。 きみたちはその“悲劇”を防ぐため、過去へさかのぼることとなる――。 PL名簿(使用キャラクター/PL名/レベル) PC1:蒼羽(瑞鶴) PC2: PC3: PC4: ・レギュレーション プレイヤー人数:4人限定 ルールブック:着任の書(必須) サプリメント:建造の書・壱、建造の書・弐(必須) レベル:初期作成ないしはレベル1に限る。当然ではあるが別府と金剛改二はこっち出禁な(震え声) ◯備考(READ ME) 1サイクル1戦闘 高速卓。バシバシ進めて行きますが、RPはお好きにどうぞ。(メインをRP用、判定を判定用のタブで区切って進行すると思います) (シャカマンダラは)ないです(半ギレ) ・連絡帳 参加希望者はこちらにどうぞ。 使用キャラクター及びそのURLを書き込んで頂ければ幸いです。 卓が生えてればとりあえず投げる。それが私の流儀。 http //character-sheets.appspot.com/kancolle/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFgsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYutr7Dww -- (四季) 2014-09-29 20 42 18 ハイコンばっかだったので参加しまする。 http //character-sheets.appspot.com/kancolle/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFgsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYhISFEQw -- (ソリット) 2014-10-01 22 23 49 参加希望投げます、弥生希望ですがバランス悪いなら変更します。 http //character-sheets.appspot.com/kancolle/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFgsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYs5C4EAw -- (Bloom) 2014-10-01 23 52 19 シナリオ中に手に入った機銃、余っておりますので欲しい方、どうぞ。 -- (蒼羽) 2014-10-06 10 55 43 名前 コメント すべてのコメントを見る
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ヴィットリオ・ヴェネト級のリットリオとローマの2人は、 リットリオが赴任中の鎮守府近隣に位置する喫茶店にいた。 イタリアから日本へ転属となった2人はそれぞれ別の鎮守府へと赴任していた。 偶然2人の長期休暇が重なり、今回は妹のローマがリットリオに会いに姉の鎮守府へ向かったのだ。 電話や手紙でしか互いの近況が聞けなかった為、顔を合わせるのは久しぶりになる。 店は中途半端な時間だからか人もまばらで、テラスには彼女たち2人しかいない。 姉妹はそれぞれ紅茶やコーヒーとスイーツを片手に、忙しさの中にある余暇を味わっている。 そして姉妹がそれぞれの提督と付き合い始めたと告白するやいなや 話は自然と艶色を帯びていく。 「ローマは何時から提督と付き合ってるの?」 「1ヶ月前に告白されてからね」 姉リットリオに聞かれて、ローマは淡々と話し始めた。 「執務室で二人きりになった時よ 提督が指輪まで持って私に告白してきて・・・・・・。 そのまま、キスしたわ」 それを聞いた姉は「あのローマがねぇ・・・」と小さく感嘆の声を上げる。 「本当は自滅覚悟で私から告白するつもりだったのよ。 どうせ、あの提督が自分から告白なんて出来るわけないと思ってたわ・・・ でも、告白されて・・・両想いって分かって・・・・・・すごく・・・嬉しくて・・・・・・」 「その後はどうしたの?」 恥ずかしそうな顔でリットリオの耳元で呟く。 「・・・・・・ええっ!混浴!?」 「しーっ!姉さん声が大きいわよ・・・!」 リットリオは少し身を乗り出して、ローマに尋ねた。 「鎮守府のお風呂を一つ貸しきったのよ、2人用の浴室をね、提督特権で」 「ふむふむ・・・・・・」 「先にお風呂に浸かりながら待っていたけれど その間、胸の高鳴りを抑えられなかったわ・・・。 でも中々来ないし・・・だから、女を待たせやがってと思って 説教しに脱衣所に行ってみたの。 そしたら半裸の彼がタオルで股間を隠してじっとしてたの。 もちろんアソコは立派に自己主張してたわ」 「準備万端なのに・・・なんで入らなかったの?」 「『下心丸出しで、みっともない』っていう情け無い理由よ。 イラッときたから、抱きたいから混浴したんじゃないの!? ってその場で正座させて説教してやったわ」 「ローマらしいわね・・・で、結局セックスはしたの?」 「・・・したわよ。あの説教が効いて、お互い吹っ切れたの。 後は勢いに任せて体を重ね合ったわ」 「それで?それで?」 「もう・・・姉さんったら」 リットリオはローマが少々引くくらい目を輝かせてローマにその後を尋ねる。 「提督に風呂まで引っ張られてキスして、そのまま。 一つになった瞬間の事は、正直に言うと良く覚えていないの。 大分のぼせていたし。突き入れられる度にバシャバシャ水音を立てて 彼を抱きしめて、気持ち良過ぎて何がなんだか分からない状態だったわ。 でも、最後に私の名前を呼びながら中に出された時のあの感覚・・・ 心も体も限界まで満たされて、幸せで死ぬかもしれないって初めて思ったわ・・・」 全て語り終わる頃、ローマは満面の笑みだった。 「ローマの顔、とっても幸せそうな顔してるわ」 「ふふっ、今はね、彼と居るのが私にとって一番の喜び。 頼りない所もあるけど・・・日本に来て、提督に逢えて、本当に幸せよ。 他にもね、人気の無い所だったら、提督にジロジロ見られても 嫌では無くなったの。それでね、それでね・・・」 あの堅物のローマが、幸せに満ちた笑顔で語り続けている。 (心配する必要・・・無いみたいね) ローマの幸せを聞きながら、リットリオは願っていた。 妹の幸せが永遠に続きますように・・・と。 「これで私の話は終わり。さあ、次は姉さんの番よ」 さっきの惚気顔から一瞬で、いつもの冷静なローマの顔に戻る。 眼鏡も片手で「クイッ」と整えて。 遂に姉リットリオの惚気話が始まろうとしていた・・・。 リットリオの惚気話 16-817に続く。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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563 名前:妹の面影 ◆QleDgIFrdU[sage] 投稿日:2014/10/03(金) 14 43 30 ID BBR2SbPo [1/3] 突然ですが、1レス強お借りします。 エロシチュを思いつけなかったので、事後と前日談の回想を兼ねたものです。 主な登場人物は潮と提督。担当海域哨戒中に救助要請を受けた提督の 数奇な運命的な一発ネタを目指しました。 「無理を言ってごめんなさい。最後のお勤めかもしれないと思うと切なくて」 私が情けを与えることで潮の自信に繋がるなら、その程度にしか考えていなかった。 「……私を困らせないでくれ。誰が何と言おうが、今の私には君が最愛の秘書だ。」 「ごめんなさい……ごめん、なさい……」 天涯孤独となった今、私は目覚めぬ妹を想い執務を行なう生ける屍でしかない。 「秘書官の任を解いてくれ、他の適正のある子と交替してくれなんていわないで欲しい。」 「君自身の魂か、艤装に宿る魂かは解らない。私には最も思い入れのある船なんだ。」 妹が目覚めぬからには、私は君と殉職しても良いと煎餅布団の中で告げたとき、 覚悟したように始めた話にゾッとした。私が艤装や魂にかくも惹かれている理由ともいうべき、運命の数奇さに。 ーーあなたの妹であるはずなどないのに、夢の中ではあなたを慕うのです。 目覚めぬままの妹さんのことを想うと、そばにいて良いのかと思ってしまいます。 「潮」を解放すれば、妹が目覚めるかもしれない。妹を求め解放しても、両方失うかもしれない。 命だけは救えた代償と思えば安いものだが、難しい二律背反に苛まれることになった。 救助任務後に一筆書いていて、当時の秘書官に紹介されたのが、潮とのなりそめだった。 哨戒中、同海域で海難事故にあった民間船の情報を入電し、救助船を要請して直行。 小さめの外傷以外ないが、目を覚ます様子はない。 応急処置を済ませ、救助できた子らとともに救護艦に託してすぐ、鎮守府に帰投したのだ。 海難事故に遭って植物状態となった妹と酷似していた彼女は ただでさえ、私の家系にとって縁のある船、『潮』の艤装に宿る艦娘だった。 取り乱しそうになるのを抑え自己紹介を促すと、「潮」の艤装に宿る艦娘だと告げられたが、 当時はせいぜい他人の空似だと想っていた。 了 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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367 :名無しの紳士提督:2015/03/08(日) 18 47 38 ID JhJHZJMk 浜で、かなり小振りなイ級が意識を失って打ち上げられているのを見つけた提督 砲は持っていないようだが当然放っておくわけにはいかず、悩んだ末にとりあえずと鎮守府に抱えて連れていく 鎮守府に戻ったところを見つかり、少しのパニックが起きた後 意識を取り戻したイ級の様子を艦娘たちの警戒のもと見ることに イ級にはどうやら敵意や戦意は無いようであり、しかも周囲の艦娘たちにも構わず提督になつきまくる その後、艦娘たちとこれからどうするかを話し合った結果、鎮守府内にて保護し、常時警戒の経過観察と結論 そしていくばくかが経ち、緊張感は拭われないながら生活の中に馴染むイ級 何事も無く、提督になついているのは相変わらずだが、成長しているのか少しずつ大きくなっていくイ級を不安に思い警戒する艦も そして、ある夜 提督は部屋に侵入する誰かの気配に気付き眠りから覚める また駆逐の誰かがイタズラしに来たか、と思いながらうっすらと目を開け、布団の横の誰かを見ると… 月明かりの中、真っ白な髪と肌に青く輝く目を持つ少女が、一糸纏わぬ姿でこちらを覗き込んでいた 勢いで妄想した、反省はしないが後悔は少しだけ 369 :名無しの紳士提督:2015/03/08(日) 20 00 06 ID l9sAzuWI 367のを読んでみて力がヲ級とかル級みたいに強くない深海棲艦は昼とかの明るい環境では化け物のみたいな姿してるけど、深海とか夜とか周りが暗い時は人間っぽくになれるのかなと 妄想した。 まぁ、夜戦時はどーなんだよとか突っ込まれたらなんとも言えんがな…
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提督のいない鎮守府は、静かだ。 だが、かれが遠洋に出撃しているがゆえの不在の静かさと、“いない”ゆえの空席の空しさは、 どう思いを馳せてみても違う。 鎮守府筆頭が空席となる理由は、これまた様々である。 いわゆる帝国海軍における人事によるもの、提督が何らかの理由により円満な退役を見たもの。 このふたつのいずれかであれば、艦娘たちは程度の差こそあれど、去った提督を惜しみ、新たな提督を心待ちにする。 今までに何人もの提督が鎮守府に赴任してきたが、どうしても“現在”の提督が一番愛しく思えてしまうようなのだ。 しかしながら、今鎮守府にのさばる沈黙の重たさは、先に述べた状況のどちらでもない。 『提督はボラボラの浅瀬で、紅珊瑚のトナカイの夢をみておられますよ』 高雄が──満身創痍で、唯一南洋から帰還してきた高雄が、年若い妹というべき駆逐艦たちに、 たった一滴の涙を見せて、そう言い聞かせていた。 高雄は提督の秘書で、座乗艦だった。その、南洋に赴く日に限って、かれは、高雄に乗らなかった。 大事な同輩と、愛する男を南の海の底に置いて、それでもたったひとりで高雄は、鎮守府に帰ってきた。 長門の胸中に沸きあがるのは、あれだけ艦娘をとりこにしておきながら、 あっさりくたばった提督への、嫉妬にも似た怒りの念だ。 墓があったら眼前にはったと正座して、明けてから暮れるまで、もの言わぬ石に延々と説教を垂れていただろう。 死は絶対だ。死は不可逆だ。戦場に散り靖国に咲くのが武人の誉れだというならば、 恥を晒しても生きて帰ってくるのはせめて──せめて、男の甲斐性とかそういうたぐいのものではないのか。 憤懣やるかたない長門の足元で、ぱきりと小枝が折れた。 その時だった。 幾分か上擦った、本職の海の男たちにはだいぶ頼りない、耳慣れた五省を唱和する声。 鎮守府にいるのは、提督を始めとする本職の軍人だけに留まらない。 事務屋もいれば、酒保の店員もおり、珍妙な猫もたまにうろついていたりする。 長門!と呼びかける声は、唱和の声に明るく重なった。入渠を終えた金剛がそこにいて、こちらへ手を振っている。 傍らで学び舎の窓を見上げているのは、やはり入渠を終えた比叡だ。 「江田島の士官候補生デース! 未来の提督たちネ!」 「実地学習、だそうです。みな、一度は実際の艦を見て、自らがすべき職掌の重みを体感せよ、とかで」 鎮守府にあまり覚えない、そのものずばり若い娘の声に注意を引かれたと見えて、ひょこりと白い制帽が窓から覗く。 するとたちまち、そこは士官候補生たちが、我も我もと鈴なりの有様になった。 金剛は気安く笑顔で、諸手を挙げてそれに応えた。比叡は比叡で、そんな彼女を微笑ましく見つめている。 「──長門!」 そして、今にも落っこちそうなほど窓から身を乗り出した少年──まだ少年にしか見えない “未来の提督”の声が、まっすぐに長門の鼓膜を打った。 勢い余って、その頭から制帽が落ちる。晴れた空に花弁のようにくるくると舞って、 楽しげにスウィングして、果たしてそれは──推し量ったごとく、過たず長門の胸に、ぱすんとぶつかった。 「長門! ナイスキャッチー!」 「……ちょっと、金剛ねえさま! 少しはものの言い方を──」 「比ー叡ー、ワタシを誰だと思ってるノ? 英国で生まれた帰国子女! 超弩級戦艦! 金剛デース!」 「もう、ねえさまったら!」 制帽を落っことした粗忽者は、それでも笑顔で、三人の艦娘に手を振っている。 鬼より怖いと認められる教官も、提督が不在の今、艦娘たちに『遊んでおらんで仕事をせえ』とは言いづらいのだろう。 なんとも微妙な、苦しょっぱいような顔で、教卓付近の窓から顔を出している。 長門もまた、不安なような、それでいて期待に似ているような、教官の心中とだいぶ通じるところのある心持で、 未だに手を振る少年を見上げていた。 鎮守府が、新しい提督を迎える日も近いだろう。一月や二月ではないかもしれないが、年単位ではないに違いない。 それまできっと艦娘たちは、本物の人間の娘たちを真似て繕い物に精を出してみたり、 ぼんやり海を眺めたり、まだ見ぬ提督に思いを馳せたりして──過ごすのだろう。 その、いずれ来たる提督が、自分を座乗艦に──秘書艦に──ひいては最愛の思い人にしてくれることを、待ち望みながら。 新たに鎮守府に着任した提督は、痩せっぽちの洟垂れ小僧だった。 黒縁眼鏡。生えたのだか生えてないのだか、たまにまばらな無精髭。 “着られている感”がありありな白の詰襟。敬礼は、今までの提督たちと引き比べても、全くのどへたくそ。 洗練されてもおらず、江田島でどうにか作られてしまった濫造提督、というべきありさま。 煙草は嗜まない。酒は猪口の糸尻の量を啜る程度。食も細い。夜になると少し咳き込む癖。 ほとんど雪山のような高地で療養したこともあったんだよと聞かされて、 身の寒くなる思いをした艦娘もあったが、寛解したと笑顔で断言されては追及もままならぬ。 そして、あろうことかその新米提督は、長門を秘書兼座乗艦に選んだ。 気安いわけでもなければ扱いが容易いわけでもない、ウォーシップという呼び名そのものを体現したような長門を。 「ああ、長門それから」 「……なんだ」 そして、あろうことか彼は──いつのまにか少年から青年へと成長した提督は、ある夜、長門にこう告げた。 「きみに、──きみに夜伽を命ずる。本日フタイチマルマルで執務室に出頭するように」 --------------------------------------------------------------
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456 :名無しさん@ピンキー:2014/04/05(土) 16 33 15.57 ID /yfN0lOO ―底なし提督の日常― ハーレム系。提督のち○んぽ無双。媚薬・浣腸などあり。 ↓レスより開始 提督の朝は官舎の寝台で目を開けるところから始める。 ちなみに次にやることは枕の寝心地の良さを再確認することである。 ??「んひあぁっ♥」 枕……もとい豊満な乳房に押し付けられた頭を捻られ、乳肉を鷲掴みで揉みしだかれた大和が甘い色合いの混じった驚きの声を上げる。 大和「その、提督……寝てる間も器用に揉んだり吸い付かれて私、少々寝不足なんですけど。夕べもあれほど激しくされたのに……まだ満足してないの?」 提督「ふあぁぁ……よう大和、おはよう。お前のコレがやはり一番寝心地がいいな、いいホテルだ。」 大和「だから、私はホテルではないと何度も……んふぁぁぁっ♥」 悪びれない笑いを浮かべた口で挨拶をする提督。不躾な物言いを窘めようとした大和の言葉は、艶やかな乳房の先端の桃色の突起を抓られた刺激で途絶えさせられる。 提督「お前を抱いてるときが一番俺は気持ちよく寝られる。お前は俺の最高の寝場所だ、大和……それじゃ不満か?」 大和「まったく、そうやってすぐ……んんんッ♥もう、朝だから……んはぁっ♥支度をして、鎮守府にぃ……きひぃぃんっ♥」 敏感すぎるので普段は金属キャップを被せて刺激を避けている乳房を、舐め捏ね抓られ弄ばれる大和。冷静さを保とうとするもその声音は既に発情し、熱され蕩けている。 提督「なぁに今日はどこか出撃させる予定がある訳じゃなし、重役出勤でも誰も困る訳じゃあるまいよ。」 大和「提督がそんな調子では他の艦に示しが……んはぁぁっ♥だめっ、提督……くはぁぁぁっ♥」 乳房を捏ね繰りながら、熱く潤った大和の膣口をかき混ぜ始める提督。朝の寝室に提督女が性交する物音と女の喘ぎが響き始めるまでそう時間はかからなかった。 提督「よう、おはよう我が艦隊!今日も一日頑張ろう!」 おはようというには随分に遅い時間に鎮守府へ出勤した提督。ちなみに大和は足腰立たず本日は休暇を申請している。 既に訓練やら補給を各々独自に予定通り遂行していた艦娘達の冷たい視線を浴びながら向かった先は―― 提督「諸君ら第六駆逐艦隊には駆逐艦増産任務に従事して貰うこととなる。各艦奮闘して海軍魂を受胎するように。」 寝台の並ぶ室内にて整列した駆逐艦達を前に提督は彼女らに任務の概要説明を……何を言っているかわからない?説明しよう。 棲艦との戦争が激化する日々において資源の重要性は上がり、それを後方から優先的に補充される権利を得られる遠征、そこで重用されるのが駆逐艦だ。 つまり駆逐艦を増産することで帝国海軍はより一層戦勝に近づくのである。……建造するか戦闘勝てば勝手に増えるだろって?何を言ってるのかね貴官は。 そうやって赴任してくる艦娘は、余所で艦娘を勇猛なる海軍軍人達が孕ませ出産させることで増員された人員なんだよ?つまり駆逐艦孕ませは常識的かつ必須の任務なのだ。Okay? 提督「よし、では電よ。種付け任務を開始する。力を抜いて足を開いているように。」 電「う……怖いけど、了解したのです。」 彼女らはあらかじめ痛み止めを兼ねた媚薬を飲まされており、局部を寛げるよう準備を施されてからこの任務に参加していた。 しかし指程度のものしか収めたことのないだろう無毛で小さく未熟なスジに対し、提督の歴戦の肉杭はどう見ても不釣り合いに長大凶悪な兵器に思える。 電「提督っ、太いのですっ……あっ、あぁ!待ってください、大きすぎるで……ッ~~~~~~~~~!?」 狭小な割れ目を信じがたいほど伸張させながら、提督の肉槍が先端で何かを破る感触と共に電の股に沈み込む。電の唇から上がる言葉にならない悲鳴。 未成熟な華奢な胴に収まった長大な異物、その形状が腹部の歪な膨らみで分かるほどに電の膣は押し広げられていた。 電「あ、が……て、てーとく……!こわい……電の体、いまどーなって……ぐぎぃぃっ!?」 提督「よーし偉いぞ、電。落ち着いてゆっくり呼吸しろよ?少しずつ拡げていくからな……なーに痛くない痛くない。」 あまりに体格差の違う電の矮躯にのしかかり、凶暴な剛棒を埋め込んでいく提督。横で見ている駆逐艦達が青ざめるほどに恐ろしい行為にそれは映る。 しかし……それも媚薬に発情させられた体が行為に順応するまでのことであり、十数分も経過した頃には―― 電「てーとくっ、てーとくぅっ♥もっと電のおなかっ、ずんずんてっ……♥つきあげてほしいのれすぅっ♥♥」 雷「う、わ……電ってばアレで感じてるの?あんなお腹をぼこんぼこん突き上げられながら、蕩けた声出して……///」 暁「うそぉ……私達も、あんな風になっちゃうのかなぁ?あんなにだらしない顔して……その、いやらしいおねだりしたり……///」 響「んっ……♥ふ、ぅ……くふっ♥ひ、ぁ……ぅ……♥」 ぐちゅぐちゅと蕩けた粘質音を結合部から発しつつ、膣壁を摩擦する赤黒い肉柱で腹部を内から突き上げられる……その度、淫らな喘ぎ声を上げる電。 幼い駆逐艦が一足飛びに一人の女として開花させられ、乱れさせられている痴態から目を離せない彼女の仲間達。発情し、自らを慰め始める者すらいる。 提督「ふっ、ふっ、ふぅっ……電は呑み込みが早いな、もう奥の口が子種を欲しがっているぞっ……!ふっ、ふっ……今、くれてやるぞっ!」 電「はひっ♥てーとくぅっ♥くらさいっ、電のだいじなところっ♥てーとくのあかちゃんのもとっ……あっ♥あっ♥あぁっ♥」 電の未成熟な膣奥、女を目覚めさせられ充血する小さな子宮の入り口を容赦なく激しく突き上げる提督の主砲。 その痙攣が極限に達した瞬間、提督は咆哮を上げて渾身の力で腰を電の股に叩きつける。その直後―― 電「ッ―――あ゛~~~~~~~ッッ!?でてるっ♥でてるのですぅぅぅぅっ♥てーとくのっ……んにゃあ゛ぁぁぁぁぁっっ♥♥♥」 あどけなさの残る目と唇を一杯に開いた電。後背に目一杯仰け反った胴に収まる子宮に密着した提督の雄幹が砲撃もかくやという勢いで射精を放った。 小ぶりな子宮に水風船を膨らませるが如く精液を注ぎ込み、電の卵子を蹂躙させにかかる提督。電の華奢な腹部は忽ち妊娠初期の如く膨らまされていく。 提督「ふぃ~……やっぱり駆逐艦は最高だな。」 電「あ゛……ぅ、あ♥ん゛あ゛っ……♥♥」 ずるり、と肉柱が電の胎から引き抜かれる。精と純潔の証にまみれたその全長が除かれ、塞ぐものの無くなった電の膣が内部を晒したまま精液を逆流させた。 意識が半ば飛んだ様子で茫然と宙を見て喘ぐ電。性交の余韻で体が弛緩したか、尿道から黄金色のアーチが虚空に架かってアンモニア臭い臭気を漂わす。 提督「よーし次は……3人まとめてそこに横になれ。纏めて可愛がってやるぞぉ?」 全く硬さを失わぬ怒張を天に向けてそそり立たせたまま、並ぶ駆逐艦達に自重のない笑顔を向ける提督。それから若干の時間が過ぎ―― 暁「あ゛っ♥あ゛っ♥お゛ぉッ♥わたひっ、ていとくにぃっ♥オトナにされて……いぐっ♥オトナアクメいぐぅぅぅッ♥♥」 雷「あ゛~~~ッッ♥しれーかんの指っ♥はげしすぎるっ、からぁっ♥もっとゆっくり……ひにあ゛ぁぁぁッ♥」 響「イッたぁ♥もぉイッたからあ゛ッ♥とめてぇ、おマメいじのもお゛ッ……う゛あ゛ぁぁッ♥またクる゛ぅぅぅっ♥♥」 暁の幼い膣を容赦なく穿り未熟な子宮を突き上げる提督の肉杭。同時に雷と響の秘所を驚異的な指使いで嬲り回し、3人を同時に悶え狂わせる。 駆逐艦達に淫らな協奏曲を奏でさせながら提督は腰を振るピッチを上げ、欲望の射出に向けて猛然と暁の胎へと雄の幹を抜き差ししていく。 提督「暁!今お前を大人に……一児の母にしてやるっ!一滴残らず、飲み干せぇぇぇっ!」 暁「てーとくっ、いまだされたらわたひっ♥こっ、こわれぢゃ……ひに゛ぃぃぃぃぃぃっ♥あちゅいのでてる゛ぅぅッッ♥♥♥」 雷&響「あ゛あぁぁぁぁ~~~~~ッ…………♥♥♥」 再び先に劣らぬ射精を放つ提督。暁の胎も電同様、精液袋と化させ……失神する暁をそのままに、休むことなく次の種付けにとりかかる。 雷「う゛あぁぁッ♥しれーかんの゛ッ♥はげしすぎるの゛ぉッ♥むりっ、もお゛……わたひ、たよっちゃらめ゛ぇぇぇッ♥♥♥」 響「雷ッ♥うごいひゃだめ゛ッ……こすれてッ♥こすれひゃってっ、おかひくなう゛ッ♥おかひくっ……あ゛ぁ~~~~ッ♥♥♥」 貝合わせの姿勢で響に載せた雷の狭小な膣を徹底的に肉筒で穿り回す提督。駆逐艦2人は息も絶え絶えといった様子で身悶え喘ぎ続ける。 その後、激しいオーガズムが続き絶頂感から下りてこられなくなった雷の子宮に容赦なく種付けをした提督は更に…… 響「パマギーッ♥しんぢゃう゛ッ♥もお゛、ひんぢゃう゛ぅッ♥あ゛ッ♥あ゛ッ♥あ゛ぁぁ~~~~~ッッ…………♥♥♥♥」 イキすぎで半ば意識を失い、小便まで漏らしてしまった響。その小さな体を駅弁の姿勢でなおもひたすら提督は突き上げ続ける。 4人分の純潔の証と精液のカクテルを膣から逆流させる響、彼女が責めから解放されたのは悲鳴すら殆ど上げられなくなってからだった。 提督「あー、駆逐艦は何人いてもいいなやっぱり。ふぅぅ……」 あの後、駆逐艦達が完全に失神しきり反応が無くなるまで種付けを重ねた提督。肩をゴキゴキと鳴らしながら鎮守府の裏手を歩く……と、ふと。 提督「おっ?」 遠洋に姿を見つけた艦娘達の姿……作戦に出ていた一航戦の面々が予定通りに帰還してきたところであった。ニヤリと笑い提督は執務室へ歩を急ぐ。 提督「よく無事で戻ってきた諸君、全員が生還するのがまず一番だ。MVPは、加賀か……褒美をやろう、このまま残るように。それから……ドベの曙、お前もだ。」 一航戦の働きを労った提督が、室内に2人を残らせたしばし後……執務室には肉のぶつかりあう湿った淫猥な音が響いていた。 加賀「あの、提督っ……私、感情表現が苦手なんですけど。んっ……提督のご褒美、好きですから。提督っ……ぁっ……んぅっ。」 提督「わかってるから皆まで言うな、ホラ。口付けされながらするの好きだろう?ほら、体寄せろ……」 執務椅子に浅く掛けた提督に跨り腰を振る加賀……その肌はほの薄く朱を帯びた程度であり、表情からも感じているか否か一見読み取りづらい。 しかしその膣肉は発情し切って熱く蕩けて分泌液を滴るほど溢れさせ、肉棒の感触を噛みしめるようにねっとりと絡みついて淫らに震えていた。 上衣を肌蹴て豊満な乳房をまろび出させた上体を抱き寄せ、その唇を奪ったまま膣上部を擦ってやる。と、静かに目を細め身震いし絶頂を迎える加賀。 曙「クソ提督ッ……いつまでそんな、ッ!変態ぶり晒してる、ワケッ……ふぐっ!付き合ってられないわっ、このっ……ドクソ提督ッ!!」 提督「ほーう、そうかそうか……ところでどうしたんだ、モジモジして。腹でも痛いのか?……おぅっ、いいぞぉ加賀。」 曙「~~~~~~ッッ!!」 加賀と提督の痴態を直立不動のまま見せつけられていた曙が顔を紅潮させて言葉を詰まらせる。その腹部はまるで妊婦の如く膨らんでいた。 ゴロゴロと腹腔内から響く異音のたび、尻を手で押さえながら腿を擦り合わせ身震いする曙。全身に汗を浮かべた姿はいかにも辛そうだ。 曙「クソ提督ッ……アンタが命じたことでしょ!?大体アンタはっ……」 提督「わかったわかった、俺が悪かった。まあ……クソをするのはお前だが、なっ!」 胸倉を掴まんばかりの剣幕で寄ってきた曙へ、片腕で加賀を抱いたまま逆の手で曙のスカートの下に手を伸ばし……尻肉の間に提がるリングを掴む提督。 力任せにリングを引き下ろせばブボボボ、と何かが連続的に引き抜ける空気音が響き―― 曙「んお゛ぉぉぉぉぉぉッッ♥ソレ抜くなァッ、やめろクソていと……お゛ッ♥お゛お゛お゛ッ♥いやあ゛ッ、漏れるう゛ぅぅッ♥♥」 提督が引き抜いたリングに連なる大振りな数珠、その玉が次々と曙の肛門から産み落とされる。肛門肉が捲れ上がるほどの勢いに悶絶する曙。 ぐぼっ、と空気音を立てて最後の一玉が引き抜かれると同時……ふやけた肛門を痙攣させて曙が甲高い悲鳴を上げた、その直後。 曙「ん゛あ゛ぁぁぁぁッ♥でてる゛ッ♥デちゃってるう゛ッッ♥クソてーとくなんかにみられでッ……ほっお゛ぉぉぉぉぉッッ♥♥」 部屋外に響くほどの悲鳴でも消しきれぬ派手な排泄音を立て、曙の尻が半透明の粘液をまるで噴水の如き勢いで噴出させる。 ドバドバと足元のバケツ内に粘液を堆積させながら、ガクガクと全身を震わせて排泄の解放感に打ち震えてしまう曙。 提督「罰ゲーム完了、っと。褒美の方も出すぞ、加賀!うおぉぉっ!」 加賀「はいっ……んっ、はぁ。提督の、精子……下さい、子宮一杯に。中だし、好きですから……あっ♥」 曙の痴態に何か感じるものでもあったのか、平素に見える表情のまま一層激しく腰を振り始める加賀。間もなく提督も限界を迎えて精を放つ。 と、息を飲んだ加賀が背を反らせて膣肉を強烈に顫動させた。相当激しく絶頂を迎えたのだろう、声こそ出さないが焦点の合わない瞳から随喜の涙を零す。 直後崩れ落ちて提督の胸に体重を預け、子宮に精液を直接注がれる快楽に全身を打ち震えさせる加賀の口元が荒く呼吸する。 曙「う゛あ゛ぁっ……クソていとくっ、ばかぁっ……う゛っ、んぐあ゛ぁぁぁぁぁ♥♥」 腸管を水風船のように膨らませていた媚薬浣腸液を全放出する強烈な快感と極限の屈辱的な羞恥がごちゃ混ぜになり、大粒の涙を流して悶える曙。 その姿に平素の周囲を拒絶する鋭さは片鱗もなく、無力感に打ちひしがれる年相応の少女がそこにはいた。 提督「よーし、よく我慢して罰ゲームを受けたな。よくやった、曙……ほらほら、泣くと可愛い顔が台無しだぞぉ?」 曙「このっ、クソ提督ッ……誰の、せいよぉっ!バカ!死ね!千回死んじゃえ……んぐぅっ、んちゅうっ!」 真っ赤にした顔を振り乱し憤る曙を抱き寄せ、その唇を奪う提督。噛まれ、引っかかれながらも怒りが収まるまで抱き抱えてやる。 曙「ぷはっ、はぁぁっ……。こんなので……誤魔化されると思ってるの、クソ提督?」 加賀「はぁ、はぁ……あの。提督、ご褒美は私が貰う筈……ずるいです。」 それから間もなく、提督の執務室からは女2人分の嬌声が代わる代わる響き始めるのだった。 提督「いてて……曙は興奮すると爪立てるのはなんとかならんもんか?あーモテる提督はツラいね……お。おーい、お前達!昼飯まだかー?」 爪痕の残る頬を撫でながら中庭を歩いていた提督。そこで訓練後の一休みをしていたボーイッシュな駆逐艦他の姿を見つけ、声をかける。 食堂でランチを奢ってやったあと、ごく自然な流れで休憩に入ることとなり―― 提督「お前達には大和撫子らしい乙女らしさが足りんッ!女性ホルモンを活性化させ女として磨きをかけることで!お前達は一段上の艦娘に進化するのだぁ!」 時雨「お゛ッ♥お゛ンッ♥出てりゅっ♥てーとくに、ボクの奥っ♥ごんごんノックされへっ♥女性ホルモンッ、出るふぅっ♥♥」 最上「う゛あ゛ァッ♥そこダメっ、提督ぅッ♥おシリとアソコの間の薄いトコッ……コリコリされたらボクッ♥お゛ッ♥へお゛お゛お゛ッ♥♥」 皐月「てーとくっ♥おマメとあなっ、どーじに……ぐりぐりってへぇっ、ん゛にぃッ♥♥ボクッ、こわれ……ふぎゅう゛ぅぅぅぅッッ♥♥」 Z1「あふ……んっ、んちゅぅ♥提督、キスだけじゃ切ないよ……♥ボクも、はやく……ねぇ♥」 尻を突きだすよう並べさせた3人を肉棒と指で容赦なく責め立てる提督。中性的な少女達は今や揃って蕩けた雌の顔で淫らな喘ぎを上げている。 一人おいてきぼりになったレーベレヒトマースは目の前の痴態にあてられ、提督の首にすがりついて口淫を求めながら腰を擦り付けるほど発情していた。 それから―― Z1「ふあ゛ぁぁぁぁぁッ♥ボクのッ……しきゅうッ♥てーとくのアツいのお゛ッ♥ドクンドクンて、いっぱいキてるう゛ぅぅぅッ♥♥」 最上「提督ぅっ、ボクにもっ……ん゛あ゛ぁぁッ♥しゃせーしてるのッ♥そのままキタぁぁぁッ♥はひぃぃぃぃンッッ♥♥」 並べ重ねた4つの小ぶりなヒップ、その前の穴に代わる代わる肉棒を突き込んでやる提督。その内二つに精を交互に注いでやれば二つの喉が甲高い悲鳴で絶頂を叫ぶ。 更に休むことなく提督は他の2つの穴にも猛然と肉筒を突き入れ、容赦なく犯し抜き―― 皐月「ふあ゛っ……あづいぃッ♥だしたばっかりなのにぃっ、てーとくのッ♥ドロドロでっ♥やけどしそぉ……んあ゛ぁぁぁぁッッ♥♥」 時雨「きひぃぃぃんッ♥♥なりましたぁっ♥ボクっ、てーとくのおちんぽで……オンナになりましたぁぁッッ♥あ゛ッ……いぐぅぅぅッッ♥♥」 立て続けに2人の胎内にも瞬時に妊娠しそうな濃厚な精液を注ぎ込んでやる。先の2人より更に蕩けた女の啼き声を上げて絶頂する駆逐艦達。 その後も全員を3周ほど徹底的に犯し抜き……各々凛々しさの片鱗も残らないイキ崩れた表情に成り果てた様を並べ、記念撮影してやって提督は立ち去った。 提督「ふぁぁ、流石にあれだけ出すと眠気もくるな……ん?」 島風「げっ……!」 鎮守府裏で訓練をサボって連装砲ちゃんと遊んでいた島風を発見。海軍精神注入棒で性根を入れ替えさせてやろうと心に決める提督。 島風「おごお゛ッ♥連装砲ちゃん゛ッ♥抜いてぇ、無理い゛ッ♥♥お尻に提督入ってるのに……裂けぢゃう゛ぅぅっ♥♥」 後背から提督に抱えられ、尻を肉柱で侵される島風。既にニ発ほど膣内射精を受けて白濁液で塗装された膣にも連装砲の筒が突き立ち、肉孔を穿り回していた。 両穴に深々と異物が捻じ込まれるその度、華奢な島風の腹部は内側から歪に押し上げられる。圧迫された肺腑から息が絞り出され、喉から溢れ出る悲鳴。 提督「音を上げるのが早すぎる、いかんぞ!速さ自慢もいいが、お前には持久力が足りていない……よし!俺がトレーニングに付き合ってやろう!」 島風「とれーにんぐもっ、なにもお゛ッ……♥せっくすしてる、だけじゃ……お゛ッ!?お゛お゛っ、お゛う゛ぅぅぅぅッッ♥♥♥」 二穴を執拗に穿られて幾度も絶頂し、既に朦朧としつつあった島風。その直腸に提督の肉筒がなんの加減も無く精液をブチ撒いた。 排泄器をマグマのように濃厚に粘る熱を持った液体に逆流され……更に硬質な異物で膣穴を穿られ、半ば白目を剥いて悶絶し叫ぶ島風。 島風「もうゆるひれ゛ッ、わらひ……こわれ゛う゛♥ッ……あ゛~~~~~~ッ♥♥♥」 しばらくして提督が歩き去った後。様子を見に来た艦が目にしたものは…… 妊婦のように膨らんだ腹に溜まった精液を開きっ放しの肛門から噴水のように噴き上げ、アヘ顔ダブルピース姿で失神した島風であったという。 提督「そろそろ陽も傾いてきたか……小腹が減ったな。」 そう呟いた提督の視線の先にあったのは居酒屋鳳翔の暖簾。準備中の札が提がっていたが、見なかったことにして入店する。 鳳翔「いらっしゃいませ、すみませんまだ準備中で……あら。」 提督「すまんな、腹が減った。出来合いでいい、何か軽く摘まめるものはないか?」 そんな流れで開店前の店のカウンターで適当に胃にものを入れながら手酌で冷を一杯やっていた提督。 開店支度をする片手間の鳳翔に最近女遊びが過ぎていることを窘められたり、何気なく会話を交わしている内に……まあなんだ、お察しである。 鳳翔「おほおっ♥堪忍をっ……おひぃっ♥お店、開けないと……んおぉッ♥♥お客の子達、困りますからっ……あひぃぃんッ♥♥」 カウンターの中、背後から蜜壺を突き上げられ淫らな喘ぎを上げる鳳翔。少女にはない背徳的な艶を漂わせ、悦楽に乱れた姿を存分に晒している。 娘盛りを過ぎた成熟した肢体は弾けるようなハリはないが、しっとりと手に馴染む柔らかさをしており肉を掴む感触が実に心地よい。 提督「なぁに、準備中の札を見ればっ……食堂にでも行くだろうっ!一日くらい、休んでも……誰も、文句は言わんさっ!」 鳳翔「そんな、ご無体をっ……んう゛っ♥堪忍して下さ……ほぉぉぉッ♥おひぃんッ♥堪忍ッ♥お尻叩きなんてっ……あひぃぃッ♥♥」 むっちりと肉のついた柔らかな尻……乱暴に平手で叩いてやると小気味よい音と共に尻肉に赤く痕がつき、鳳翔が仰け反って悲鳴を上げる。 苦しげな悲鳴とは裏腹に肉襞をいやらしくうねらせ、熱い蜜を分泌して肉棒に絡んでくる膣。しとやかな佇まいとかけ離れた淫らな肉体に嗜虐心が煽られる。 提督「お前の雌が俺のモノにむしゃぶりついてるのがわかるだろ?今たっぷりと種付けしてやる……もう一隻分、余分に空母の母になれっ!うおぉぉっ!」 鳳翔「ひぃっ、いけませんっ……高齢出産は危ないですからっ、堪忍を!だめっ、いけませ……おっひぃぃぃッ♥♥♥」 自身が女であったことを思い出して震えながら排卵する鳳翔の子袋へ、容赦なく粘つく白濁液を注ぎ込み種付けする提督の肉砲。 この背徳的な行いは、ボーキ食べたさに準備中の札を無視して突入してきた赤城に蛋白質をご馳走してやりながら陽が暮れるまで続いたのだった。 提督「ふぃ~、すっかり暗くなっちまったな。寝る前に風呂でも入って……お。」 今日の寝所を考えていた提督の耳に入ったのは鎮守府の浴場から響いた潜水艦娘の姦しい声。 その数分の後。おっと男湯と間違えたー!という雄叫びの直後に悲鳴が響いてから暫し時間が過ぎ…… 伊19「いくイグのお゛ぉぉぉッッ♥♥いぐっ、イグゥゥッ♥てーとくのおちんぽでっ、いくイッグぅぅぅぅッッ♥♥♥」 伊58「お゛ッ……ん゛ほお゛ぉぉぉッ♥イクでちぃっ♥あしゆびおチンポでッ♥まえとうしろグリグリされて……ふぎぃぃぃンッッ♥♥♥」 伊401「お゛ッ♥お゛ぉぉぉンッ♥♥ゆびッ、ズボズボらめえ゛ッ♥おひりっ♥しりあにゃッ♥こわれ゛ッ……ん゛お゛ぉぉぉンッ♥♥♥」 伊168「んきひぃぃぃっ♥イッ……イッてるのに゛っ、どんだけペロペロするきよぉっ♥いぎッ……んひあ゛ぁぁぁぁぁッッ♥♥」 伊8「あ゛ーッ♥あ゛ぁ~ッ♥もぉイけないよ゛ぉーっ♥むりっ、ムリぃ~……んひあ゛ぁぁぁ~~~~ッッ♥♥♥」 浴室の床に転がる己に跨った潜水艦娘達の水着をズラし、その各々の孔を男根で手指足指で舌で穿り回し快楽で身悶えさせる提督。 その場にいた全員の魚雷管を徹底的に股間のブラシで磨き上げ、あとから入ってきたまるゆも混ぜてのぼせ湯当たりさせるまで乱交を続けたのであった。 提督「うー、出した出した……今日はもう流石に打ち止めだな。さーて、今日の寝床は……お。」 夜の帳の降りた宿舎前を歩く提督、その視線の先にあったのは武蔵の居室の灯りであった。 本日の寝床を武蔵御殿と定めた提督が扉を潜り……しばらくの後、乱れ狂う女の声が日の替わるまで続いたとか。 これがとある提督のよくある一日の出来事。また明日も同じような一日が始まるのだろうが、それは別の話である―― +後書き 464 :名無しさん@ピンキー:2014/04/05(土) 17 18 24.45 ID /yfN0lOO 最後までのお付き合いありがとうございます。 自分でいうのもなんですが酷い提督ですね、ドイツ国歌が一々バックに流れそう。 結婚指輪を米帝買いした提督は割とこんな生活送ってるのかもしれませんね。 ではまた何か投下できたらと思いますので、その際もどうぞよしなに。 しかし連投規制はどうにかならないものかと。
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172 名前:提督×磯波[sage] 投稿日:2014/07/25(金) 12 53 35 ID ZBan1xk2 [2/11] 唐突に投下。前スレ提督×吹雪1-147避の続きのようなもの。設定も引き継ぎます 吹雪ちゃんじゃなくてごめんね 「…」 「…」 提督は今、深夜までずれ込んだ幕僚との会議から帰還し、執務室に入ろうとドアを開けたそのままの姿勢で動けなくなっていた。 固まっているのは、執務室にある来客用のソファで、何か白い布状のものを抱いて妙な格好で座っている艦娘―磯波も同じだった。 駆逐艦娘、磯波。吹雪と同型の艦娘で、吹雪より更に目立たなくて大人しい娘である。 やや引っ込み思案で余りにも我を出さないのが欠点といえば欠点だが、この鎮守府では最古参級の艦娘であり、吹雪と同じく重要な戦力として昔からこの鎮守府を支えていた。 その磯波が、提督の執務室で、明かりも付けず、提督の足音に気づかないほど何かに耽っている。 「ぁ…あ、の…ぁ…」 蚊の鳴くような声を漏らしてはいるが、それは全く言葉としての体を為していない。 予想外の事態に体が動かなくなっているのは明らかだった。 艦娘は、命令遂行をスムーズにする目的で、「提督に好意を抱くよう」調整され建造される。 提督としてここに赴く際に、渡された資料に記されていた文章である。 加えて、艦娘は戦闘によるストレスを、性的欲求の形に変えて貯めこむこと。 練度が高ければ高くなるほど、その欲求は強くなること。 親しい間柄の艦娘がいればお互いで発散することもできるが、そうでない艦娘は自分で自分を慰めることしか出来ないこと。 …それが、彼の最初の艦娘・吹雪から聞かされた、艦娘の隠された事実だった。 それを知らなかった数日前までの彼なら目の前の光景を理解できずにパニックに陥っていただろう。 しかし今の彼には、磯波がこの執務室で行っていた行為がどういうものなのか、容易に察することが出来た。 小さく深呼吸した彼は、部屋に入る動きを再開させる。 「! っあ、の、これ、は、」 「磯波。君はそこで何をしているのかな?」 「ゎ、た、しは、っ、そ…の…っ」 「何をしているのか、と尋ねているんだが」 ぶるぶると震えながら、言葉にならない言葉を繰り返す磯波。さらに歩み寄ると、彼には状況がより正確に把握できた。 セーラー服のような普段の艦娘制服を肌蹴た磯波は、見慣れた彼の軍服を掻き抱いてソファに座り、 軍服の袖を持った右手をM字に立てられた脚の中央に伸ばしたまま、身体を硬直させていた。 羞恥と恐怖がない混ぜになって磯波を支配しているのは明らかであり、その姿は怯える小動物を連想させた。 その姿とこの異様な事態に、普段の彼では考えられないない感情と欲求… すなわちもっと虐めたい、辱めてみたいという下劣な欲望をむくむくと膨らませていた。 「見た所それは私の服のようだが、何をしていたのかな」 「…っ …ぁ…っ ぁ…」 「ふむ…私には、君が私の服で自慰をしていたように見えるのだが…違うかい?」 「~~~~ッ!!」 朱の差していた磯波の顔がさらに紅潮し、俯いたまま身体を縮みこませ、黙りこんでしまう。 期待した通りの反応に、異常なまでに興奮しているのを彼自身も自覚していた。 「さて、困ったことだね、磯波」 「…ぃ」 「ん?」 「…さい、提督、ごめんな、さい、すみません、提督…っ」 ポロポロと涙をこぼしながら、嗚咽の混ざったぎりぎり聞き取れる声で謝罪を繰り返す磯波。 「磯波、君は何に対して謝っているんだい?」 「…たし、て、とく、で、 …らしい、こと、を、そうぞうして、… ました…っ ごめんな、さいっ…」 「何だ、そんなことか。そういうことなら謝る必要はないぞ」 「…? あ…っ」 涙と鼻水の跡がついた顔を上げる磯波の頭を撫でてやりながら、提督はできるだけ優しい声で話しかける。 「君たち艦娘は、練度を上げるほどそういう欲求を強めていくと聞いた。 私の仕事は艦娘たちを率いて、深海棲艦を駆逐することだ。 当然、その仕事には戦力の全てである君たち艦娘をケアすることも含まれているんだよ。 掲示板にもそういう旨の知らせを貼り出していたのだが…気付かなかったかな?」 「い…いえ…っ で、も、提督に、は、吹雪ちゃん、が、わたしなん、て、そんな…」 「ふむ…これは、そういう話ではないんだよ。君だって、吹雪と同じように立派に役目を果たしている艦娘なんだ。 君が苦しんでいるなら、それを解消するのも私の仕事なのだから、遠慮する必要はない」 「で…では…っ、困ったことと、いうのは…?」 「君がここに来てこんなことをしてしまうまで我慢していたことを察せなかった、私の鈍さのことだよ」 「…」 驚いたように目を丸くして私を見つめる磯波。 袖のところに濃い染みができてしまっている自身の服を一瞥し、しかし、と彼は言葉を続ける。 「明日私が着る上着が汚れてしまったな。 そんないやらしい臭いのする服では、仕事をすることが出来ない。その点は君の失態だよ、磯波」 「…っ は、い…すみま、せん…」 「罰として、そうだな…磯波にはもうちょっと恥ずかしい思いをしてもらおうかな」 「ふぇ…?」 提督は磯波の隣に腰を下ろし、ことさら優しく語りかける。 「ここで、さっきの行為の続きをしたまえ」 「~~~!?」 「ん?どうした?」 「そ、そんな…恥ずかしいです…」 「そりゃあそうだ、恥ずかしくないと罰にならないじゃないか。 別に難しいコトじゃ無い。いつもやっているように、さっきの続きをスるだけでいいんだ」 「でも…わ、私…」 「磯波?これは磯波が私の服を汚してしまった罰なんだよ。 君は拒否できる立場じゃないんだ。わかるかい?」 「はい…」 「では、始めなさい」 「…」 観念したかのようにソファに座り直し、右手を股間に持っていく磯波。 スカートの中に手を突っ込み、下着の上から秘裂を撫でるように、なぞるように指を這わせている。 「… ぅ …っは 、ん… ぁ …っ」 (あ、れ…? いつも、より、敏感になってる…さっきまで、シてた、から?) 弄られる陰部はすぐにムズムズとした性感を送り出し、口からは微かにだがもう甘い喘ぎが漏れだしている。 手馴れた行為のはずなのに、何故か興奮はいつもの何倍にもなっていた。 それは先程まで弄っていたからか、それとも… 「はぁっ… んん…っ … ふ、ぁぅ… は っく、んん…っ」 (だめぇ…提督が、見てるのに…っ 見られてっ、ああ、指が止まらないっ…) 提督の目を気にしていたのも最初だけで、磯波の手の動きはどんどん大胆になっていく。 撫でていた手が性器全体の肉を下着ごと揉みしだくようになり、特に中指は一段深くショーツのクロッチ部分を抉っている。 衣擦れのような微かなしゅ、しゅという音は次第に粘質な水音に取って代わり、静謐な執務室に磯波の控えめな囀りとにちゃねちゃという卑猥な音だけが響く。 「っくふぅ、あうう…ふあ、ああっ、ひんっ…! っあ、うううっ…」 (ああ…ダメ、下着の上からじゃ、ぜんぜん、もどかしくて…っ) 布越しの刺激に物足りなくなった磯波は、ためらいなく下腹部からショーツの中に手を滑り込ませ ちゅくっちゅくと自らの性感帯を思う存分弄り始めた。 普段目立たなく大人しい艦娘が、愛液の大きな染みが出来た下着に手を突っ込み蕩けた顔で喘ぐ様は 提督をも異常な興奮に駆り立てていく。 「磯波、それじゃあ見えないよ。下着を脱ぎなさい」 「はぁっ、は、はぃ…」 「そう…もっと足を広げて、私に見せるんだ」 尻の方までベトベトになったショーツからもどかしげに片足を抜き、膝を折ったその姿勢のまま股を大きく開いて自らの秘部を露出させる。 快楽により羞恥心がすっかり麻痺してしまった磯波は、己の欲望のまま続きを始める。 「磯波は結構毛が濃い方なんだね…もうグショグショに濡れてて、おまんこに張り付いちゃってるけど」 磯波の陰部は駆逐艦にしては発達しており、髪の毛同様の黒い陰毛が控えめではあるが恥丘とクリトリスの周囲を半分程度覆っている。 その陰毛も、愛液でべっとりと濡れ、淫らな光沢を放っている。 肉色に色づいた小陰唇もワレメからはみ出しており、更に性的興奮で充血しぷっくり膨れて開き、 大切な最奥―ヒクヒクと蠢いている膣口を曝け出している。 周りの肉襞もやや複雑な形状をしており、既に男を誘い込む器官として完成しつつあった。 「愛液もトロトロこぼれてる。磯波のは濃い方なのかな?下に垂れるときに糸を引いてるね。 磯波のいやらしい臭いがすごいよ」 「や、やあっ…に、臭いなんて、はあっ、はあっ、ふ、うう…っ あ、あっ! っ…あ、は、はぅっ、ん、んっ…」 (やだあ、提督に、見られてる…アソコ弄って、気持ちよくなってるの、観察されちゃってるよおっ…) 「クリトリスもコリコリに膨れて、磯波が触る度に身体がビクビクしてる。そこをそうやって摘むと気持ちいいのかな?」 「やあ…あ、はっ んくっ、ああっ、はぁぅ、んんっ!… あ っ、 あ、はぁぁっ…」 わざと辱めるような言葉責めに、磯波はいっそう煽り立てられていた。 肌蹴た上半身に左手が無意識に伸び、脱ぐことすらもどかしいとばかりにブラに手を突っ込んで既に硬く勃起した乳首を弄る。 陰部を弄る指の動きもさらに激しくなり、指を2本も咥えこんでぐちゃにちゃと音を立てながら肉穴をまさぐるように動かす。 しばらくその刺激を味わったら、今度はトロトロの愛液に塗れた親指で、敏感な肉豆をグリグリと責め立てる。 その度に磯波の口から歓喜の悲鳴が漏れ出てくる。 時折太ももをビクリと震わせながら、磯波は提督の目の前で欲望の赴くまま自らに快楽を与え続けた。 「は、はうっ、は、ああ、ら、め、ああ、ひくっ、あはあ、ん、…ぅあ、あうう…っ」 「ふふ、磯波の自慰は激しいね。こりゃあ私の服があんなになってしまうわけだ。 指を突っ込むときに愛液の飛沫がこっちまで飛んでくるし、磯波の臭いが濃くて溺れそうだよ。 クリトリスを弄るときもとっても気持ちよさそうだし、磯波がこんなにエッチな娘だったなんて知らなかったな」 「や、だあ、てい、とく、そんなことっ…」 「私は見たままを言っているだけだよ?それに、私個人の感想を言わせてもらえれば、今の磯波はとっても魅力的だ」 「はあ、はあ、わたし、が…?」 「ああ。いつも遠征や任務をこなしてくれる、真面目で健気な磯波もいいけれど、 いやらしくアソコを見せつけて弄って、気持ちよさそうに蕩けてるエッチな磯波も、とても可愛いよ」 (見てくれてた…提督、私のこと、いつも見ててくれたんだ、こんな、私でもっ…) 「あ、あああっ…♥ あう、ひんっ、あ、あううう、はっ、はっ、やああっ、あうっ、ああ、くぅっ…」 自分のことなどとうに忘れ去られ、ただ遠征とたまの演習をこなす駆逐艦の一人としか見られていないと思っていた磯波の心は、『見ていてくれていた』というだけで歓喜に打ち震えた。 その感情が性快楽を一気に増幅し、提督に見られるまま、いや見られているからこそ絶頂へと駆け登っていく。 「だから声も抑えなくていいし、思う存分気持ちよくなりなさい。イく時は私に言うんだよ」 「はあ、ああ、あひぅ、ひぁっ、はひっ、ふ、ふぁぁっ! ひゃぁっ、はひゃぁぁっ♥ ああ、いッあんあッあっあっいっあっだめっ、もうイッ… ふむぅっ!? …っ! …!」 絶頂に達する、その最も無防備な瞬間を狙って提督が磯波を抱きしめ、唇を重ねる。 普段から密かに想っていた人の突然のキスと抱擁に磯波の身体はびくん、びくんと跳ね、より深い幸福絶頂へと誘われた。 「…っ ……ぷぁ、はっ…はっ…はっ…ふ、あ、あっ…」 (提督に、抱きしめられて、キスされながら…イっちゃった…こんなに気持ちよかったの、初めて…) 「よく頑張ったね、磯波。これで罰は終了だ。とても可愛くて、思わずキスしてしまったよ」 「は…っ、はぁっ、はぁっ…てい、とく…」 「何だい…?」 「わたし、も…ていとくを、ほしがって、いいん、ですか…?」 「ああ、さっき言った通りだよ。君たちの役に立つなら、私は協力を惜しまない」 「…わかり、ました…」 その言葉で、磯波は今まで抑圧していたタガが外れつつあるのを自覚していた。 我慢する必要はない。遠慮する必要もない。 欲望を抑えていた羞恥心は、先程のオナニーショーの時点でとうに吹き飛んでいる。 「…提督、ソファに座ってください」 「?こう、かな…」 「…失礼します、ね…」 「おお…っ?」 そう言うと磯波は提督の足元にうずくまり、提督のズボンを脱がしにかかったのである。 上気し呼吸の荒い磯波が何をしようとしているのかは明白であり、普段の彼女では考えられない行動に提督も意表を突かれていた。 (ああ…これが、しれいかん、の…おっきく、なってる…わたしの、みてたから…? だったら、嬉しいな… …あ…これ、おちんちんの、臭い…?) たちまちのうちに下着まで脱がされ、屹立した肉棒が露わになる。 磯波は熱に浮かされたように顔を近づけ、それどころかソレの放つ臭いを嗅ぎ始めた。 常人には決して好ましいとは言えない強烈な牡の性臭は、しかし発情した艦娘―磯波にとっては、より性的興奮を煽り立てる刺激となっていた。 「すー …はぁ… すぅー… ふあ、はああ…っ♪ はあ、舐めます ね…」 もはや伺いではなく宣言となっている淫行を、磯波は着々と進める。 誘蛾灯に引き寄せられる羽虫のごとく、磯波の唇が赤黒く膨れた亀頭に近づき、 やがてついに…陰茎に舌先が触れる。 「ぺろ、はー、ふはぁー♥ … ちゅっ……れろれろっ、ぺちゃ、ちゅ、ん、んっ……ちゅ、ちゅぱっ、ちゅう …はあっ、はあっ、ああっ♥ ……んむ、ちゅう……ちゅう、ずちゅじゅる…はぁっ、 くじゅ、れろれろ… はぁっ、はあっ、ちゅむ……はぁ……っ、れろ、れろぉ、じゅるるぅ♥」 一度舐め始めると、行為はより激しくなる一方だった。 恐る恐る先端を撫でた磯波の舌はすぐに亀頭全体を舐めまわすようになり、尿道口にキスを繰り返す唇が先端を咥え込むようになる。 濃厚な淫臭がペニスから立ち上り、息を継ぐ度に鼻腔に、肺腑に侵入するのを磯波は感じていた。 (あはあっ、私いま、提督のおちんちんナメて、吸って、嗅いでるよおっ… 熱くて硬くって、すごくえっちな、濃い味と臭いでアタマしびれちゃう…) 磯波の動きは初めてとは思えないほど大胆だった…実は彼女は、今まで何度もこの行為の妄想で自分を慰めていたのである。 当然今やっていることは頭の中で幾度と無く反芻したものばかりだったが、実際のその行為は彼女が考えていたよりもはるかに淫靡であった。 妄想にはなかった慕う男の味と臭いと熱を口内いっぱいに感じながら、思う存分堪能できる。 何より自分が舌を動かす度に提督がくぐもった声を上げて表情を歪める―おそらく快楽による―ことが、この上ない愉悦となっていた。 「ふうっ、う、うう、うあ、い、そなみぃっ…!」 「んちゅっ、ちゅるる、んん、んにゅるっ、ん…へーほく… いひゃいれふか?」 「い、や、痛くは、ない、大丈夫だ…好きにしてく、れっ…」 加減の分からない磯波にとって、自分の行為が苦痛を与えていないかが唯一の懸念であった。 それを否定する言葉と、まるで褒めるように頭を撫でられることで杞憂であるとわかり、改めて口淫を再開する。 「わふぁりまひた…♥ ん、ん、ん、んっ、 んく、はふ……はぁ、ふぅ……ちゅるる、ぐじゅう、ちゅ……」 既にパンパンに張った肉棒が、今度はヌメった唾液のプールにぬちゅりと漬け込まれる。 磯波の口腔粘膜が提督の逸物に吸い付き、舌がカリ首に付着した恥垢全てをこそげ取るかのようにまとわりつく。 通常、男を悦ばせるために行われるその行為は、今はただ純粋に磯波の性的欲求のみによって為されていた。 その証拠に磯波の表情は興奮と悦楽によって蕩けており、逆に提督の方が強制的に与えられる快感に堪える有り様であった。 「んぷ、ぷ ちゅ、ちゅうううううっ、ぷは、んく、ちゅうっ、ぢゅううううううっ…じゅるじゅる、んくっ…ぷは♥ れろぉ~…っ ぱく、ん、ちゅくっ、ちゅく、ぢゅぢゅううううう~~~っ、ん、ん、んく…」 「うっ…く、あああっ…」 ペニス全体に唾液をまぶし、それごと全体を咥えこんで口内の唾液といっしょに撹拌し、啜りながら陰茎ごと吸い上げ嚥下する… まるで肉棒のエキスを吸い取り、性器を掃除するどころかふやかしてしまうような磯波の執拗なフェラチオは続く。 先端からトロトロと分泌されるカウパーも容赦なく舐め取られ、磯波に摂取されてしまう。 「ん、ちゅるる…ちゅ…じゅるるるぅ……ちゅぱぁ… はふぅ……、んっ、んっ、んっ、んっ、んむむっ……ちゅぽっ…」 「ぐう、ううっ…いそなみっ…!もうっ…」 「は、う、んじゅる! ちゅ! じゅるぅ! いっひゃい……らひて、くらはい……! くぷ、くぷ、んっ ……んんっ」 少しでも射精を先延ばしにしたい意志の力と、今すぐにでも種付け汁を吐き出したい肉欲のせめぎ合いは 辛うじて発せられた磯波のおねだりがひと押しとなり遂に崩れた。 熱いマグマのような塊が奔流となって陰茎を駆け上り、その瞬間、少しでも奥に子種を送りこめという本能に従って提督の手が半ば反射的に磯波の頭を押さえつけた。 「うぐ、うう、い、そなみ…っ」 びゅっくうう!びゅく、どぷっ!びゅるっ、びるびゅるっ… 「ん、ふ っ~~~♥! ~、~~~!」 (き、きたっ…!ていとくの、せいし、うあっ、いっぱい出てっ… 熱くて、どろどろぷるぷるしてるっ…) 提督はもとより、磯波も口から離すつもりはさらさらなかった。 いかに磯波がフェラチオの妄想を繰り返そうと、射精だけはどのようになされるのか、想像の埒外であった。 しかし、酒保を通してこっそり流れてくるその手の雑誌には「飲むと男は悦ぶ」と書かれていたし、それでなくとも提督の精液である。 慕う男の精エキスを、一滴でも多く受け止めて、摂取して、自分のモノにしたい。匂いを、味を、記憶に焼き付けたい。 考えただけであまりのいやらしさに目眩がしそうなその願望を実現させるべく、磯波はえづきそうになるのを必死に我慢し、断続的に発射される独特な臭気の粘液を口内に貯めこむ。 「~~っ、ふーっ、ふーっ、…ちゅる、んく…っ ちゅく、くちゅっ、くちゅ…んんっ、んくっ、ふはっ、はーっ♥ んむ、ちゅう、ちゅううう…っ ちゅぷん!ぷあ、は、はーっ、はー…」 ペニスを咥えたまま精液を自分の唾液とぐちゃぐちゃに混ぜて味わい、ゆっくりと嚥下する磯波。 射精を終えたペニスを丹念に吸い上げ、尿道内の精液まで全て飲み込んでしまった。 (ああ、しょっぱくてにがくて、青臭くって…これ、が、提督の、精子…の、味とニオイなんだ… 私、提督イかせて…提督の精子、飲んじゃったんだ…っ♥) 「はあ、はあ、磯波、すごく気持ちよかったよ。こんなに出したのは久しぶり…んむっ…!」 精飲を終えた磯波が提督に倒れこむ…否、唇を奪いながら押し倒した。 発情した磯波にとって初めて飲んだ提督の精液は強烈な媚薬も同然であり、また提督を絶頂させたという高揚もあって、未だ異常な興奮と渇望にあった。 辛うじてひっかかっていたスカートを脱ぎ去り、提督の唾液を乱暴に奪い取りながら、磯波はさらなる行為を要求する。 「んちゅ、ちゅむっ、じゅるるる…っ、あはっ、はあ、はあ、提督っ…提督っ いい、ですよねっ… んんっ、提督のっ、あはぁっ♥ 欲しいんですっ、お願いします…っ、はう、んん…っ、んはぁっ…!」 尋ねてはいるものの、やめる気など端から無いのは明らかである。 完全に抑えの効かなくなった磯波は提督の胸に手をつき、馬乗りになりながら淫裂を陰茎に押し当て、物欲しげに腰をくねらせる。 唾液と愛液に塗れた互いの性器がくちゃにちゃと音を立て、あまりに卑猥なそのおねだりに提督の逸物はたちまち硬さを取り戻す。 「あ、はぁ、これで、挿れられます、ね…♪ ん…っく、ああ、提督の、あたってます…っ」 愛液まみれになった亀頭を自らのラビアにあてがい、腰を沈めていく。 「ふ、は、あ、はい、って、はうあああああっ♥ …あうう…」 くにゅりと柔らかな膣口が広がり、まだ完全には熟していない磯波の肉穴がペニスを飲み込んでいく。 ぷつ、という破瓜の感触と痛みも、今の磯波にとっては達成感を強調するスパイスでしか無かった。 逸物に対していささか小さい磯波の膣はそれでも精一杯肉棒を頬張るが、全てを飲み込めずに亀頭が磯波の最奥をこつんと叩く。 「う、あ、おくまで、お、っきぃ…はぁ、はぁ、はぅ…」 (提督の、おちんちん、挿れちゃったよおっ…うあ…っ、さき、っぽ、あたってぇ… …!? だ、めっ、も、キちゃう…!) 「ひっ、あ、ああ、あううう~~~っ…!!」 その刺激だけで、磯波は絶頂に達してしまった。 もちろんそんなもので磯波が満足するわけもなく、咥え込んだまま腰をずりずりと前後に動かし始める。 肌蹴られたセーラー服がそのたびにゆらゆらと揺れ、ずり上げられたブラと勃起した乳首が覗いている。 「はぅっ、あうっ、ああっ、ひっ…ううっ♥ す、ご、とまんな、ああっ、あうう…っ て、とくの、おちんちっ、ナカ、ひっかいてっ、ぞくぞくって、しますぅっ…」 「い、磯波のもっ、すごい、ぞっ…引き抜かれると、ぜんぶ、もっていかれそうだっ…」 普段の磯波とあまりにかけ離れた痴態に中てられ、提督もまた異常な興奮に陥っていた。 提督の肉傘が磯波の膣襞を抉り、痺れるような幸福快楽信号となって両者の脊髄を駆け登る。 磯波がいやらしく腰を動かす度に、ぷじッ、ぬぷぷっ、ぬぶぢゅっ、という空気の漏れる下品な音が結合部から漏れ出るが、それすらも二人の興奮を煽り立たせて、動きはさらに大胆に、激しくなっていく。 「はあ、はあ、てい、とくも、はうっ、気持ちいい、ですかっ…?」 「ああ…っ、ゆだんすると、また出てしまいそうだっ…」 「ぁはっ、はぁ、よかった、もっ…と、動きます、ね…」 言質を取ったとはいえ勢いで提督を犯してしまったことに少なからず罪悪感を覚えていた磯波は、提督が自らの欲望を快く受け入れてくれたことで更なる充足と快楽を得ていた。 もはや遮る物のない肉欲のままに、磯波は性快楽を貪る。 馬乗りの姿勢から膝を立たせ、咥え込んだまま提督の上でしゃがみ込むように座り、提督の胸に手をつく。いわゆる、M字騎乗位の体勢である。 大きく股を開いたまま本格的に上下運動を開始する。 「んっ…! ふっ、はあ、はあっ♥ あ゛う、あんっ♥ あっ、 てーとくのしゃきっぽ、う゛あっ♥ とんっ、とんってぇ♥ あたってましゅっ…!!」 「ああ、わかるぞ、磯波の一番大切な場所が、何回もキスしてきてる、なっ!」 「ら、ってっ、ていとくの、きもちくて、はあうっ♥ らいしゅきら、もんっ、ああっ、はうあっ」 肉のぶつかる規則正しい音と粘膜粘液が擦れる音、それに二人の喘ぎ声と嬌声が交じり合って執務室に響く。 柔肉が肉竿を存分に頬張り、子宮口が鈴口にちゅうちゅうと吸いつき、性器全体で提督の子種を搾り取ろうとしている。 「へあ…あ゛うっ♥ …おなか、にゃか、ぜんぶ、て、とくの、おちんちん、でぇっ♥ いっぱいに、なっへ、 ひぃやああ、おくまれ、わらしのなかぁ、とろいてるよぅ♥ …っ」 「う、うう、いそなみっ…しめつけ、が、うう、も、うっ…!」 「わた、しもおっ、もうっ、ああっ、あ゛、う、ぃふああああ゛~~~~~っ!!!」 ぶびぶりゅううっ!どびゅるるるっ、びぶっ、びゅくうっ! 子宮口が亀頭を包み込んだ瞬間、堪えに堪えた提督の欲望が爆発し、磯波の最奥に白濁汁を叩きつける。 ずっとそれを欲していた磯波の肉穴が喜びに打ち震えながら、全て絞り取るべく強収縮を繰り返す。 「あっあっあっ♥ …へあ゛ァっ♥ …あォああ゛…っ♥ あ゛~~~っっ…♥ あひっ、ふあっ…ァあ…♥」 提督が射精する前から始まった磯波の絶頂は、提督が注ぎこむ間も、注ぎ終わった後まで続く長いものだった。 普段大人しくて引っ込み思案な娘には不似合いな、長く声を上げ続ける動物的なイき方を磯波はした… 精魂尽き果てた磯波の身体を受け止めたまま、二人は気怠い事後の時間を共有する。 「… すみません、私、自分のことばかりで、してしまって…」 「磯波があんなことまでするとは思っていなかったな…驚きだよ」 「やぁ…っ! だって、提督ですからっ…あんなことするの、したいの、提督だけです…」 「…っ、そう、か…」 例の「刷り込み」を思い出し、提督は一瞬言葉を詰まらせる。 大義の名のもとに心を、感情を「歪まされた」少女…の姿を持つモノたち。 何度か受け入れてしまったとはいえ、葛藤は未だ彼の中で燻っていた。 いくら「兵器だ」「人外だ」と理屈を並べても、自身がそれらを人と看做しているのは明らかであった。 植え付けられた好意を、生理的欲求を利用する。鬼畜にも劣る所業ではないのか。 丁寧に後始末を済ませ、眠ってしまった磯波を寝室に運びながら、自問自答を繰り返す。 (…いや、磯波に言った通りだ…これは艦娘のため、仕事のためなのだ…) 誰に対する言い訳なのか、それは彼自身が一番理解していた。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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92 :クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/08(月) 23 30 47 ID QjAZivQs 以前あきつ丸が加賀さんから提督を寝取る話を書いた者です 吹雪が初恋する話を書いたので投下します 長い(三万字弱) エロシーン少ない 艦娘同士がギスギスする 要素を含むので苦手な方は注意をお願いします 1 『八月二十日 早朝より家中取片付け塵を払ふ。驟雨の涼味喜ぶべし。午を待ちて妻と散歩す。上野に赴き精養軒に至り昼食を喫す。 海老フライ二尾、スープ。今生最後の機会やもしれぬと思ふに甚だ悲し。明日ラバウルへ発つにつき荷造りせんが故早々に帰りたり。 炊事の中途に妻泣き頽れるもかけるべき言葉思い至らずただ黙して肩抱くのみ。泣き声一層烈しくなるに後ろめたき気持ち湧き出ず。 詮方なきことと割り切るには悲愁余りに大きくただ酸鼻だ酸鼻だと胸の内に言ちたり』 夜虫の鳴き声が耳にされる、真夏の彼誰時である。その男はむくりと持ち上げた上体を障子越しの月光に晒しながら、毛布を手繰り まどろみに眼を細めていた。端整と形容するに足る顔は、だがどこかくたびれた印象を感じさせ、実齢三十前半とも思えぬ薄幸と気苦 労の雰囲気を放っている。それは生来の顔つきのみを要因とするのではなく、心の憔悴していることが表情にまで顕れた結果なのであ った。 ラバウルへの転属を命じられてからというもの、今日までの暮らしは思いのほか静謐になされた。彼も彼の妻も、足元に流れる悲し みには意識して目を向けないようにして、ただ来ては過ぎ行く一日一日を大切に営むだけであった。なるたけいつも通りの、幸せの光 景を作る事に躍起になり、そしてそれはつい昨日の日暮れまで保たれ続けていたことなのでもある。 東京で過ごす最後の日に思い出を反芻する外出をしてしまったがため、増幅した水が盆の縁を登攀するように妻から悲哀の情が溢れ 出た。気丈に振舞い続けた彼女の、心の底に燻っていた想いが、滂沱とする涙や嗚咽に吐露されて、また当然ながら男の方も平常心で はいられなかった。無力感と自責の念に苛まれ、食事中も風呂の最中も、果ては最後の夜伽の際にあってももう温かみを得られる心地 ではなかったのだ。笑顔だけを心に留めてもらいたいという妻の願いは、このたった一度だけの失敗によりついに達成されることはな かった。 寝息をたてる妻を起こさぬよう、彼はじれったい速さにようやく蒲団から這い出した。扉の前に畳まれている軍服をそのまま崩さず 両手に抱え、居間に移動してから着替えを済ませる。洗面も音を立てぬよう気を使い、まとめておいた背嚢を背負ってしまえばとうと う外に出る準備は完了した。 見送る余地も残さず姿を消そうとしているのは、海軍の出征習慣に則ったこともあるが、以上に起きてよりの妻の有様へ恐怖を覚えて いたためでもある。足元に縋られ懇願でもされたら、ただでさえ重苦しい足。もう職務を放棄するのに躊躇もなくなってしまうだろう。 個人の幸福と世界の海の平和とを天秤にかけ、後者を逡巡なしに選び取れるほど人間のできている彼ではなかった。玄関扉に手をかけて から、せめて最後に顔だけでも見に戻るかと葛藤し始める惰弱さである。結局五分も佇立した後にようやく、ゆっくりと差し出された 右足が敷居を跨ぐに至ったのだった。 空は紺色に薄明るくなっている。 まったく酷い朝だと、彼は思った。昨日の雨と夜露の湿り気が、地表の汚さを混ぜ合わせながら空気に戻り、肺を冒してくるようだ った。呼吸は苦しく、目眩も酷い。その作用によるものか、一瞬妻の目覚めた後の姿が脳内に虚像として想像され、もう振り返ること もできず足を速める。 戦争の終わるまで、帰ってはこれない。それが何時になるのかも分からない。一年か、五年か、十年か……。 飛行機の中にあって、彼はとうとう自身の抱く寂寞と郷愁が、そのうちに自身そのものを壊すであろうことを悟ったのであった。何 時開放されるとも知れぬ境遇に、毎夜毎夜云千キロの向こうを思い続けるのは酷だった。だから妻の顔も忘れ、上野の街も忘れ、端か ら現地の人間であったかのように振舞おうと腹を据えたのである。妻の寝顔を見に戻らなかったことは、覚悟を決めてしまうには都合 が良かった。 無論湧きだそうとする思い出をすぐに押さえ込むことはできないが、意識して心に検閲をかけ続ければ虚像は幽く薄らいでゆく。楽 になる決意を固めてしまうと、幾らか気も和らいだらしい。迫る胸の痛みから懸命に逃避しているうち、いつの間にか彼はリクライニ ングに身を預けすっかり眠りに落ちていた。 気丈に振舞っていた日々の中では、今日という日が来る事をずっと考えないようにしていたわけだ。それを逆転させるだけなのだか ら、何も難しいことはない。忘れることは得意な男なのである。 乗り継ぎのため、一旦ポートモレスビーに降り立ったのは、東京を発ってより六時間の後。存外気候にそれほどの変化は感じられな かった。ただ窓越しに見える椰子の木の列や英語を基準にした案内看板からは、十二分に異国の情緒が放たれていたし、何より雑踏す るロビーにたった独りでいるという孤独は胸に堪えるものがあった。 この空港でラバウル行きの飛行機に乗り換える手筈であったが、その便は本国が彼だけの為に特別に手配してくれたものであった。 受付へパスポートを手渡すと、裏から仰々しくスーツの大男が顕れた。何か空恐ろしくなる“over here”の声音と共に、ゲートの脇、 観葉植物に挟まれたドアの方へと案内される。 専用の裏口を使うのは初めての経験であった。滑走路を車に乗って走るのも、搭乗橋を使わずに昇降タラップで乗るのも、そもそも 小型のビジネスジェットに乗るのも全部初めてのことである。自分ひとりだけの為に一体何人が動いていたのかと、機内のソファに座 ってから後ろめたさに頭を抱えたくなった。 離陸の動きは機敏だった。いち早くその空港から離れられるのは、気持ちの上では楽だった。大型機よりも揺れは大きく、地に足の 着いているうちは電車の中にいるようで、空に浮かんでからは洋上のフェリーの甲板に座ったみたいな感覚がある。およそ二時間のフ ライトは、すなわち酔いとの闘いであった。夕日の射し込む小窓を割り砕き、荒ぶる風に身を晒したい衝動に駆られもした。着陸体勢 に入る頃には、身を上げておくこともできずソファに寝そべり、呻き声を漏らし続けている始末である。吐き気はまだしも脳の蕩ける ような目眩は、朝の空気を思い出させるから本当に勘弁ならないものがあった。 ようやく地に降り立つことができたのは、夕日の輪郭が天穹へ滲み出し、地平線が一層朱く光っている頃合だった。機外に出て待望 の新鮮な空気を肺一杯に吸い込むと、異郷の香りが仄かに物悲しい。湿気って熱い夏の空気は東京のそれと似ているはずなのに、きっ と都会の穢れが無いからなのであろう。慣れない清らかさが鼻につく。 顔を上げ辺りを見渡してみると、また何ともその印象に劣らぬ殺風景な景観があるのだった。ただ真っ直ぐに整備された滑走路がど こまでも一本伸びているだけ。一切人工の建築物はなく、林が壁のように四方を取り囲んでいた。 昇降タラップの一段目に足をかけると、佇立し敬礼する少女の姿が視界の隅に入ってきた。髪は黒、玲瓏たる肌は夕日を写し橙色に 淡く染まっている。強風に煽られたスカートが掲揚された旗のように揺れ、プリーツ同士が叩きあってバタバタと大仰な音を発してい た。 田舎の小奇麗な女学生としか思えないその立ち居姿には、烈々とした場違いの感がある。眼窩に収まる大きな瞳は、期待と緊張にきら きら輝いている風だった。 「はじめまして、吹雪です! よろしくお願いいたします」 声は顔つき以上に凛とし高く、まるで童女のようである。 男がタラップを降りきると、彼女は一層背筋を伸ばし大きなその瞳に彼を見据えた。吹雪という名を耳朶にしてようやく、男は眼前 のこの少女が、上層部から聞いていた“意思を持つ新兵器”であるという事に気がついた。 深海棲艦という超常生物が世界の海洋に出現して以来、早いものでもう四ヶ月になる。海面に浮かぶ人工物を無作為に破壊しつくす その亡霊共は、通常兵器の一切を無効化する特殊な剛性を兼ね備えていた。出現から一週間も経たずして人類は海洋を簒奪されるに至 り、そしてその状況は好転もせず依然世界に安全な海路は絶無である。 深海棲艦へ対抗するには、また深海棲艦と同種の力が必要であることに海軍はようやく気がついたのだ。二ヶ月前に行われた大規模 作戦。多大な物的人的資源を引き換えに捕縛した、たった一匹のイ級駆逐。その徹底的な解析によって、人類は新たな兵器を得るきっ かけを掴んだのだった。 「……艦娘?」 上官より伝えられたその力の名が、独りでに口に上っていた。 「はい! 駆逐艦、吹雪です!」 口元に笑みを浮かべた彼女は、今一度胸を張り、誇らしげに名を宣言する。 それは少女の形をしている。 それは人と同じように意思を持ち口を聞く。 それは前大戦の艦の記憶を引き継ぐ。 詳細に聞き及んでいた事ではあったが、実際にその姿を目の前にすると、この痩躯にあの脅威へ対抗する力があるのか疑念を抱かず にはいられなかった。 外見の仔細を眺めていると、彼女は気まずげに視線を逸らして、眉を困らせた。 「あ、あの……司令官」 「……すまない。これからよろしく、お願いする」 答礼しつつの言葉が幾らか吃りぎみだったのは、果たしてどのような言葉遣いが適正なのか判断しかねていたからだった。上官の立 場になったとて威張り散らす真似はしたくない。ましてや彼女は、話が本当ならば人類の救世主といっても過言ではない存在なのであ る。なるたけ丁寧に受け答えしようと考えるのだが、しかし眼前にあるのは野暮ったく垢抜けない少女。膝を折って目線を合わせて頭 でも撫でてあげたいような雰囲気を放っているから、また当惑してしまうのだった。男は、遠い昔に病気で死んだ、自分の従姉妹のこと を思い出していた。 まさかこの齢に年頃の娘へどう接すべきか悩むような羽目になるとは、しかもそれが国の安保に関わる重要な仕事の上に起こってい る問題なのである。彼は短く嘆息をつき、どうせその内に丁度良く収まってくれるだろうと楽観して、喫緊の話題を口にした。 「この飛行場ってトイレはあるかな」 「はい!? いえ、ありませんが……。ここからだと鎮守府のトイレが一番近くて、歩いて十五分ほどです」 「……間に合わない。ごめん、ちょっとそこで吐いてくる」 男は小走りに、林の茂みへ急いだ。 外見から、この吹雪という娘は何にでも生真面目なタイプなのであろうと予想した彼であったが、果たしてそれはまったく正解であ った。穴を掘り、胃液を吐けるだけ吐いてからそれを埋め、背嚢から水筒を取り出して口を濯ぐ。その一連の行為の最中、彼女はずっ と彼に寄り添い背を擦っていた。無論男としてこれほど無様なこともないので、離れて待機しているよう初めての命令を下しもしたの だが、彼女は頑として首を縦に振らなかった。曰く、司令を支えるのが秘書艦の役目。即ち看護も立派な勤め。司令は艦娘を使役する全 権を担うが、同時に艦娘の仕事を不自由なく行わせる義務も背負っている。その義務に背く命令は承服しかねるし、また客観的な見地 に立ってもこの判断は妥当である、とのこと。気が弱いかと思いきや、存外強情の娘でもあるらしい。 胃の中を空にすると、砂地へ水が立ち消えになるようにすっかり気持ち悪さが無くなった。ケロリとした顔に茂みを出る彼は、無論 気恥ずかしさや情けなさに苛まれ何でもないような顔を演出していたのでもあるが、兎角吹雪に先立ち颯爽と歩を進めた。 鎮守府への道は滑走路の南東の端、取って付けたように伸びている細道の先にあるとのこと。 「大丈夫ですか?」 と繰り返し問いかけてくる彼女に適当な笑顔を返信しながら、辺りの情景を眺めていると、郷愁の憂いに胸が痛む。上野を思い出そ うとする思惟の奔流を慌ててせき止めようとした彼は、また知らずのうちに苦々しい顔となっていたらしい。吹雪の気遣う声が止むこ とはないのであった。 彼女の先の言葉どおり、十五分も歩くと突然視界が開けた。鉄柵の門戸が迎える先、ラバウル基地はまるで、南国リゾート地のペン ションが連なっているかのような佇まいに敷設されてあった。どの建屋も玄関扉が大きいか、そもそも簾が掛かっているだけで間仕切 りの無い構造になっているのは、この地域の気候に合わせた様式なのであろう。またよく見れば一等大きな工廠らしき建物以外、どれ も高床構造に作られており、何とも異国情緒に溢れた景観だった。 「執務室と司令官の部屋があるのはあっちです」 圧倒され立ち尽くしていた彼の前へひょっこりと身を滑らせた吹雪は、一番手前に佇立する平屋を指し示した。 「随分、イメージと違う」 「お気に召されませんか?」 「いや……ただなんだか、旅行に来たような気分になる」 「私も最初はそんな風に思ってました」 後ろ首に手を当てながら可愛らしくはにかんだ吹雪に、彼もまた表情をほころばせた。 その建物に近づく道すがらに、嘔吐の途中に浮かび出ていた疑問を口にする。 「吹雪君はいつ来たの」 「三日前です」 「三日。……こんな広いところに三日も独りでいたの。寂しくなかった?」 「妖精さんがたくさんいたので大丈夫でした。施設の勝手を調べるのにも忙しかったですし……。って、子供扱いしないでください!」 「失礼。どうにも小さい娘の扱いには慣れてなくてね……」 「……そ、それはわざとおっしゃっているのですか」 口角のにわかに上がっていることから真剣に怒っているわけではないらしいことを察し、しかし「子供扱いをされたくない」という言 葉は本心であろうから、接し方の指針にもなる。冗談を交えつつも、彼は彼女との距離を真剣に探していて、またそれは彼女も同じな のだろう。 「独身でいらっしゃるのですか?」 話の流れからして湧いて当然の疑問だった。とっさに否定の言葉を吐こうと口を開きかけた彼は、だが飛行機の中での決意に思い当た り、逡巡した。決意に則せば首肯すべきであるが、今更の名残惜しさが急に増大し、顎を引くちょっとの動作さえをも引き留めるのだ った。 言葉に詰まった彼を見るや、吹雪はさぁっと顔を青くした。 「す、すみません! あの、深入りするつもりはなかったんです!」 「いや、いいよ。……一応、独身、かな」 訥弁にそう言い終えてしまうと、途端悔悟の念が湧き出してくる。 婚約者がいたがこのラバウルへの転属をきっかけに別れたというような、でまかせの創作話が口から漏れ出た。それは逡巡に言い詰 まったことへの羞恥をかき消すためだけのものであったが、彼女の関心と気まずさの混じった表情を見るとまたそれも居心地悪く、話 に区切りをつけたいのにそのタイミングが分からないといった、泥沼の焦燥に駆られる。結局建屋の中に入り、執務室の場所を吹雪に 教えられるまで、その話題は継続したのだった。 ダンボールの乱雑に重ねられたその部屋には、まだ新居特有のニスっぽい香りが残っていた。熱も篭っていたので窓を開けると、岸 壁に波の打ち付ける音と一緒に、清涼とまでは言えないにしろそれなりには心地よい風が、さらさらと吹き込んでくる。右手手前には工 廠の大きな建屋が聳え、クレーンがゆったりと身を振っていた。航空障害灯の赤色がもう随分目立っている。左手の護岸された海辺も すっかり暗く、白波が異様に映えていた。 「こっちが私の部屋かな」 廊下に続く扉とは別、彼が半間の押し戸を指し示して聞くと、吹雪はおずおず首肯した。その仕草が露骨に物憂げであったから、 「どうかしたかい」 となるべく優しく聞こえるよう努力した声をかけると、何か心の中にせめぎ合っているのか、十秒も沈黙してから 「いえ、なんでもありません」 そう、微笑を作った。 「そう? ……吹雪君とは、多分これから長い付き合いになると思うけど」 「は、はい!」 「えっとつまり、何かお互いに気を使い続けるような関係ではいたくないと……少なくとも私はそう思っているんだけど、君はどう?」 「あ……。わ、私も、司令官と同じ思いです」 「そうか、よかった。……無理強いしないけど、もし聞きたいことがあるなら遠慮しないでくれていいよ」 なんと堅苦しい諭し方だと心の中に自嘲した彼は、だが彼女がスカートの裾を握って必死に言葉を選び取っている様子を見て、一先 ず胸を撫で下ろした。 過剰な遠慮や気遣いへ釘を刺す必要があろうことを彼は察していたのだった。頑張りすぎる傾向を持つ年端もいかぬ少女となれば、 そういったケアも大切だと思われた。果たして幾分かの緊張を顔に顕しながらも、吹雪はそれを口にする。 「司令官は、後悔していませんか。こんな所に、来てしまって」 胸を抉る質問だった。しかし彼女の抜け目ない視線が表情の仔細を伺っている故、しかめ面になるわけにはいかなかった。 遠慮しないよう強いた手前、また自分も彼女に対しては素直でなければ誠実とは言えない。既に重大な嘘を一つついたが、だからこ そこれ以上は誤魔化したくなかった。 「……無いと言えば、嘘になる。でもたとえ命令されていたのだとしても、ここに来たのは自分の意思だよ。だから大丈夫」 自分に言い聞かせるように提督としての決意を口にすると、吹雪も一つ、頷くのだった。 『八月二十一日 ラバウルが夕陽、朱く近し。国の暮らし忘却せんと思い定めたりしもこの日記焼捨つるに忍びず。帰還すべき場所まで も忘るるは本末転倒ゆえ日々拙文記す習慣継続せんと思い定めたり。駆逐艦吹雪清廉な娘なり。秘書艦に任命す』 2 『九月二十四日 秋暑熾なり。気付けばラバウル赴任より一月過ぐ。辣腕無き故戦力増強遅遅なれど今ラバウルが艦保有数二十を越し たり。今朝雷巡の建造開始せむ』 午後のラバウルは蒸し暑い。もうずっと水風呂の中に入っていたいと思わせるほど、その気候は苛烈で過酷だった。 執務室は空調設備によって全体快適な温度と湿度を保っていたが、生憎この提督は窓も戸も閉め切られた環境にあると、どうしても じっとしていられなくなる性分なのであった。窓を開けては熱風の吹き込むのに耐えられず、閉める。席につくと落ち着かなくなり、また 窓を開けに腰を上げる。そんなことを十回も繰り返していたのだから、もしかしたら軽度の閉所恐怖症なのやもしれない。今まで精神 科に掛かったことはない為詳しいことは知れないが、兎角この提督には、窓の閉ざすことを条件とした涼味の享楽を受け入れることは できないのである。 深海棲艦の出現する前、日本本土にあった頃は、机の前にふんぞり返っていられるような立場にはなかった。寧ろ泥臭い外仕事が多 かったから、別段この性質が何か仕事に支障をきたすようなこともなかった。 たった数ヶ月の戦争が多くの将官を非業の死に追いやった。本来この任に就くべきであったのは、適性があり才気にも富んだ、智勇 兼備の人であった。この提督も無能とまでは言えないにしろ、本国からの臥竜鳳雛であるべしという期待を背負うには余りに乏しい両 の肩。その日も吹雪を旗艦とする第一艦隊、その任務成功の知らせを聞くや、彼は書類仕事を放り出して颯爽と外に繰り出してた。お 目付け役のいない今、何をしたところでそれを引き止める者はない。流石に戦闘指揮はさぼれないにしろ彼女らも帰還くらいは通信無 しにできるわけで、ともなればこの提督、心の中の天使と悪魔の対決は既に終えているのだった。 大方そういった事情で鎮守府の敷地内を散策する彼は、だが照りつける太陽から逃避したいのでもあった。既に常習化していると言 ってもいいほどにサボりの回数を重ねていた為、それを都合よく解決できる場所も熟知していて、足の向かう先に一切迷いはない。 執務棟から二、三十メートル。景観にそぐわない無機質の壁を持った建屋は、この基地内に最大の大きさを誇る一施設でもある。中 では小型のクレーンが右往左往し、素材の箱を持つ妖精があちらこちらを駆けてゆく。ラバウルの工廠は今日も変わらず、各々が任を 果たさんと騒然たる様子だった。 中は吹き抜けの広い一間だが、脇の階段を昇った先には吊り廊下とそれぞれ四隅に小部屋があって、まるでひさしのように内側へは み出ている。提督は慣れた様子に、北側の部屋の前にまでするする進んでゆくと、元より開かれている扉を二回ノックした。 特徴的なおさげを揺らし、中の彼女は振り返った。本部よりの資材提供のうち、特殊な支給の管理を担当するその娘は、提督の姿を 見るなり大仰な嘆息をつく。 「また、サボりですか?」 呆れた声音の明石は、それでも薄らと口元に笑みを浮かべていた。 「人聞き悪い。視察視察。邪魔だった?」 「まぁ、私はいいんですけど……。この間吹雪ちゃんが愚痴っていました」 「へぇ。なんて?」 「うちの提督は良い人だけど、私がいないと仕事をしないって」 したり顔の明石から思わず視線を逸らした彼は、つまりそれだけ胸に痛みを覚えていたわけでもある。あの吹雪であるから、尋常な ストレスでは上官への愚痴など吐かないであろう。或いはそれくらいの悪態をつけるほどに距離が縮まったとも解釈できるが、兎角影 で自身の仕事ぶりを批判され、それに何も感じないほど真摯さを欠く彼ではなかった。 「真面目になろうとは努力しているんだよ。ただ上の要求が過大だと……ほら、萎えるじゃない?」 思わず惨めに言い訳をしてから、こういうところが駄目なのだと気付き自嘲する。目を伏せた彼を見、想像以上に深手を与えすぎた らしいことを察した明石は、 「そこの椅子、どうぞ」 そう言って場を取り持つのだった。 何時ものキャスター付きの安物椅子に腰掛けると、吹き抜けに面した窓から一階の作業の様子が見て取れた。建造機からの物静かな 脈動が、遠くからでも感じられる風である。 何度眺めても、ぞっとしない光景だった。一個の知的生命体が、数多のホースに繋がれたあの得体の知れない装置からむくむくと生 まれてくる。しかも年端もいかぬ少女の形に、闘争を目的としてである。人類にとって必要だからと倫理に背くことを是するのは、この 提督には辛い事だった。 装置を眺める彼の横顔を暫時観察した明石は、また吹雪の話題から逃避もしたくて視線の先の物について口に出した。 「明日の朝までには建造完了するらしいですよ。例の軽巡の娘」 「軽巡? 雷巡って話ではなかったか? たしか名前は……北上」 「知らないんですか? 最初は軽巡、練度をある程度上げると雷巡として改造できるようになるんです」 「初耳」 やれやれと頭を振る明石をよそに、提督は実際かなり大きなショックを受けていた。まだ軽空母も配備されていないこの艦隊におい ては、先制雷撃ができる雷巡は貴重な戦力として勘定できるはずだったのだ。難度の高い海域の攻略に、丁度乗りだそうとしていた手 前、この見落としは大きな痛手だった。 「……今日帰還したら、吹雪君は一段階目の改造が可能になる、はずなんだ」 「はい」 「一ヶ月だな。秘書艦に任命すると大体一ヶ月で改造可能になる。建造終了次第北上君を秘書にしつつ、いつもの第一艦隊メンバー も出撃させて、一ヶ月計画で全体に練度を上げていこうと思うんだけど、どうかな」 「私に聞かないでください。そういうことを判断するのが、提督のお仕事です」 ぐうの音もでない正論に提督は後ろ首を掻いた。 少々時間をかけすぎるプランニングとも思えるが、かと言って現状のまま吶喊するのもリスクが大きいわけである。どうせいつかは 無能と謗られる身、今更性急に功を収めようとしたところでぼろもでるだろう。なれば犠牲の無いまま任を終えるのが、得策かと思わ れた。 兎に角練度を上げることに集中しようと今一度腹を据えたタイミングに、明石がつと容喙してきた。 「吹雪ちゃんが妬きそうですね」 「あの娘が旗艦の誉れに執着するタイプだとは思えんが……」 「いえ、そういうことじゃなくてですね……」 生来鈍感な彼であったが、流石に彼女の言わんとしていることを察する程度には情事の経験を積んでいる。 「もういい歳したおじさんだよ、私は」 そう一笑に付そうとするも、まだ明石の瞳は真剣だった。 「分かっていませんね。最近の子は提督みたいなちょっと抜けた年嵩の人に弱いんですよ」 「まだ知り合って一ヶ月しか経ってない」 「だからこそです。大人は臆病だから相手のことを深く知らないと恋愛感情を持てませんけど、子供は違います。もっと深く知りた い、もっと独占したい。そういう自分の欲求に根ざした想いを恋愛と認知するんですよ!」 いつになく熱弁を振るう彼女を、提督は意外な心地に眺めていた。なるほど明石とて、外見からすればそういうことに夢を見る年頃 なのかもしれなかった。興味はあれど自分がどうこうしたい訳ではなく、他人の観察によって心を満たす。その倒錯は、こと女学生あ たりには普遍的である。 「私から言わせれば、君もまだ子供」 「でも、吹雪ちゃんよりかは大人です」 「耳年増」 「し、失礼ですね!」 身を乗り出して柔く睨む明石に向かい提督が次に口に出したのは、からかいの範疇を逸脱する冗談であった。それは彼にとっての自 傷行為。心にもないことを口にするのは、以前の決意を強かにするためである。 「君はどうなの」 「何がですか」 「年嵩の抜けている男は好き?」 「なっ……」 ぱっと頬を染めてあからさまに狼狽した様子の彼女は、暫時の後にその反応自体に羞恥を覚えたか、 「提督は私のタイプじゃありませんね!」 顔を背け、慌てて取り繕うのだった。果たして提督も、本国の記憶が虚像にちらつき、またこんな事が言えてしまえる程度には順調 に忘却の途を歩んでいる事実に胸を痛ませ、更には下種な企みに明石を巻き込んだ事を悔悟して、もう一杯一杯になっていた。 悪の道にも三つある。己が正義を貫くために悪に堕ちた確信犯。己が愉悦を享楽するために良心を切り捨てた愉快犯。そして最も忌 むべきなのが、己が利益の為に悪を為しながら表面的には嫌だ嫌だと、これは致し方なくしている事だと後悔の念を垂れ流す、外道。 提督は自身が腐ってゆくのを、もう諦観の境地に受け入れている。だからこそ、そしらぬ風に苦渋の表情を浮かべることができるのだ った。 誰もいない執務室をその目に入れたとき、吹雪の失望は甚だ凄まじかった。元より提督にサボり癖のあることは知っていたが、出撃 を労うという事、つまりは艦娘を大事にするという最低限の任くらいは全うできる人だと、知らずの内期待していたらしかったのだ。ま してや今回の戦闘は最初の改造が可能となる節目の出撃であったのだから、普段温厚な吹雪とて憤慨に至るのにも無理はない。 他の艦娘たちは提督が不在と知るなり、さっさと入渠に向かってしまった。ことに龍田などは、 「あらぁ、私もうくたくたよ。吹雪ちゃん、提督への報告任せてもいい?」 と悪びれる様子も無く、首肯したのも見ずして部屋を後にした。独り取り残されてみるとむくむくと不平感が湧き出してきて、それ が提督への苛立ちに更に拍車をかけたのだった。 窓を眺め、何時来るかも分からない彼の姿を捜し、その内に足が疲れてきたから執務机の前にある高級そうな椅子にも座った。無論 普段の彼女からは考えられない行動であるのだが、胸中を渦巻く莫大な怒りがあらゆる無礼、無遠慮も気に掛けなくさせていた。それ から五分、十分と経ってゆくと、何故わざわざこんな仕打ちをする提督ごときを待ってなくてはならないのかと、この待機の目的その ものに疑問が湧いて出てくる有様で、書置きをして自身も入渠しようと決意を定めるのにも結局一刻は掛からなかったのである。 執務机の上に適当なメモ帳などは見当たらなかった。山積されている紙の束は本国との書簡であるとか承認待ちの契約書などで、一 枚たりともチリにできるものではなかった。 まさかこういったデスクワークに所用をメモできる白紙が必要でない訳が無い。多少の躊躇はあったが、吹雪は仕方無しに脇の引き 出しを開けて、中を漁り始めたのだった。 一番上の引き出しには電卓やら万年筆のインクやらの、机周りの日用品。舌打ちしつつ二番目の引き出しを開けてみると、B5のノー トが整然と七冊ほど重なって置いてあった。表紙に何か書き込みはなく、しかし角が縒れ浮き上がっている様から全くの新品で無いこ とは察せられる。 一番上のノートを手に取って中をぱらぱらと捲ってみたのは、断じてこれの正体について覚えがあったからではないし、ましてや彼 への当て付けに弱みを握ってやろうと悪巧したからでもない。ただ、書置きできる紙が欲しかった。本当に、本心から、それだけのこ とだったのだ。 まず目に付いたのは日付だった。それぞれのページ一番上から、簡潔な文章を挟みつつ日付が羅列されてあった。八月二十二日から 始まり、大体二、三日おき不定期に、ノートの四半分の更に半分あたりまで書き込みがあり、最新の記事は九月の二十四日だった。そ れが提督の日記であることに気がつくと、さしもの吹雪も一瞬怒りを忘失し、罪悪感と焦燥に顔を上げて慌ててあたりを見渡した。 問題なのは今手にしているノートは最近のものであって、引き出しの中に彼が本国にいた頃のものであろう日記がまだぎっしりと詰 まっているということだった。つまりは彼の過去を仔細に知り尽くせる機会を、思いがけず手に入れたということである。 婚約者の話を聞いた。その顛末が語られると、目の前の男が間違いなく異性であったのだという確証のようなものが閲歴されて、一 層興味が深くなった。もっともっととせがんでみても、余り口を開きたがらない彼である。よほど深く心に傷を残した出来事なのだろう と謬見を持った彼女は、最近になると気を遣ってしまって、その話題を出すこと自体忌避するようになっていた。 吹雪にはまだ懸想の自覚がなかった。だからなぜこんなにも提督一個人に拘っているのかも、分からないままだった。漠然と心の熱 の滾っているのを不思議な心地に眺めるばかりで、その熱情をどう形容するのか決めあぐねていたのである。 いつの間にか引き出しの中のノートにまで手を伸ばしている自分を客観視したとき、自身が愚かに思えて仕様がなかったのもそうい った心理故だった。 上から二冊目、最初のページ最初の日付は、一年前の八月九日であった。文を追ってゆくと、海のまだ平和な時分、何時かの海軍将兵 を目指し下っ端の身分に走り回る快活な彼が幻視された。まだ直接は見たことの無い東京という街、ことに上野の清閑と歓楽が混ざり 合った様子は吹雪の憧憬を大いに煽った。そして、そこかしこにありありと刻まれた、一人の女の影。 最初吹雪は、この女性こそ提督の話に上った婚約者であり、家を共にしているらしいことについては同棲しているためだと解釈した。 実際ノートの半分を過ぎるまでは、たしかにその考えで違和感を覚えることもなかったのである。しかし段々と、例えば言葉遣いや接 し方、鼻につく所帯染みた気だるさや、何よりどれだけ読み進めても一向に結婚への意識が吐露されない事へ不審の念が募っていった。 読み終わりすかさず三冊目にまで手を伸ばすと、とうとうその疑念が確信へと変わった。四ページ目、二年前の六月、ジューンブライ ドに浮かれる彼の嬉々とし踊る文面を見たとき、吹雪の胸に今一度失望の風が凪いだ。 どうしてと口の中に呟いていた。どうして嘘を吐いたのか、どうして今まで黙っていたのか。荒ぶる心の、仮初の静謐さえ儘ならな いうちに、およそ最悪のタイミングに戸が開く。 「すまない!」 提督は肩で息をしながら、椅子に腰掛け顔を伏せる彼女の姿を視界に入れた。 艦娘としての尋常ならざる反射神経が、彼女の手を敏捷かつ粛然と動かし、意識の向くより先に日記は綺麗に仕舞われていた。だか ら彼女には焦燥もなければ罪悪感もなくて、ただどうして配偶者のいる事を隠したのか、それを詰問したい葛藤に駆られているばかり である。 「吹雪君? あの、本当にすまなかった。言い訳もできない。……報告は後にしてくれて構わないから、兎に角入渠を済ませてくれ。 ……何か、その。困った事とかは、なかったかな」 矢継ぎ早でありながらところどころ吃りつつ、提督の声音は気遣わしげだった。 冷静さを失ったときにも一歩身を引く判断ができるのは、彼女の戦場における聡明さがそのまま日常にまで作用している結果だった。 「大丈夫、でした。入渠してきます」 怒りの篭らない平坦な物言いは、彼を必要以上に逼迫させることとなったが、兎角吹雪はなんとか執務室を後にすることができた。 何故嘘を吐いたと問うてしまえば、日記を盗み見たことが露見する。無意識に、彼女は信頼の危機を脱したのだ。 夜の執務は沈欝とした空気の中、既に行程の半分を終えていた。入渠を終え改造まで済ませた吹雪はしかし依然怒りを継続させたま まで、沈黙に耐え切れなくなった提督が気散じな雑談を振る度に、露骨にぷいと顔を背けていた。返事を期待する眼差しが後頭部に感 じられなくなるまで、ずっと壁の方を向く。一見愛らしい仕草ではあるのだが国家の一代表として艦娘を預かる提督という身、何より これから北上の件を話さなくてはならないわけであるからただ慈しんでもいられない。 「吹雪君、こっちを向いてくれないかな」 何度繰り返したかも分からないこの台詞を吐き出して、しかし彼女もまた態度を軟化させることはない。提督は意を決すと、腰の横 に握られていた彼女の手を軽く掴みとった。 「頼む。どうしても話さなくてはならないことがあるんだ」 手の触れた瞬間驚いた表情に振り向いた吹雪は、目が合ったことに気がつくと慌ててまた顔を逸らした。無論、提督もこの程度で傾 聴の態度を得られるとは思っていなかった。立ち上がり、手を離さないままに正面へ立ち、 「頼む」 再三度の伺い立ては、真剣な顔と声音を維持するのにかなり労を取った。彼女の顔をよく見てみると漫画のキャラクタのように頬を ぷっくりと膨らませていて、古典的に過ぎる怒りの表現に危うく破顔しかけたのだった。 十秒、二十秒と場の空気の止まったまま時が流れ、彼女の横顔を見つめるのにも息が詰まってきた頃合に、ようやく吹雪の譲歩があ った。 「なんですか」 時計を見れば、およそ五時間ぶりの会話である。 「……海域攻略の進捗が悪い。これから一ヶ月掛けて艦隊全体の地力を底上げしたいんだ」 「はい」 「その……明日建造が終わる軽巡を秘書艦にしたいんだ。先行雷撃能力を獲得する為に、集中的に練度を高めたい」 言い終えるまでの時間はとてつもなく苦痛だった。驚きに見開かれた彼女の瞳が次第に失望の色を湛えてゆくと、手を握っているこ とさえも簡便できなくなる。こんな状況に追い込んでしまった要因は紛れもなく自身にあって、だからただ徒に彼女を傷つけるしかな くて、弁解もできず、慰める資格もない。 吹雪が口を開くより先、臆病な彼は逃げの手を打つのだった。 「吹雪君は……本当に今日までよく仕事を果たしてくれた。こんな私なのに支えてくれて、尽くしてくれて……。お礼がしたいんだ。 何かして欲しい事とか、欲しい物とかがあったら言ってくれないかな。何でも、用意するよ」 「……何でも、ですか」 「何でも」 日記を見たことに対する罪悪感とそれに背反する憤怒、彼に報いを与えたいという欲望とが吹雪暫時の思考に渦巻いた。それら欲求 全てを勘案したときの妥当な着地点は、存外にすぐ見つかった。歪みのない性根、白壁に極限まで近づいた無垢さは、自身を見つめな おす時にはかなり有利に働いてくれるのだ。 「司令官の、昔の話が聞きたいです。どんなところに住んでいたのか、とか。“元婚約者の方はどんな人だったのか”とか」 提督の一瞬の動揺を目敏く見つけて、吹雪は内心嗜虐の愉悦にほくそ笑んだ。 確実に、一定のダメージを負わす事に成功した。日記を盗み見たことは知られずに、だが彼の口から彼自身をより深く知れるのだ。 婚約者とは即ち、本土に残した細君なのだから。 今までの仕打ちから考えればまぁ妥当な埋め合わせだと、そう口の中に無理やり言ちて、苛まれる良心から目を逸らす。 夜の雑務、残り半分はそのまま朝へと繰り越された。 『九月二十五日 記載なし』 3 『十月三十日 午後より雷鳴あり。湿気甚だしからず。明日の出撃任務無事完了したれば北上一段目の改造可能となる。ラバウル艦隊 一応の陣容整えたり。 追記 現在時刻朝四時半。不眠症未だ続く』 ラバウル泊地の医務室は食堂棟の隅にこじんまりと、まるで隠されているかのように設けられてある。艦娘は人の形をしながら怪我 の修復に医学療法を用いる必要はなく、故にこの設備はほぼ提督だけの為に備えられていると言っても過言ではないものであった。軍 事基地にしては余りに小さな規模であるのもそういった理由があっての事で、手術室も無ければベッドも無い。レントゲン設備も見当 たらないしパソコンさえ置かれてはおらず、机の上にはたった一枚のカルテが乱雑に転がっているだけだった。窮屈な室内を更に狭苦 しくさせている白い棚には、薬瓶が整然と威圧的に並べられていて、プレートに種類が分けられているようだった。ともすれば学校の 保健室の方がましとも思えるほどだが、生憎勤務中基地の外には出られ規則であるからここで我慢するより仕方ない。たとえ目の前に している医者がおおらかな表情をした体長二寸ほどの妖精だったのだとしても、この提督に選択の余地などないのである。 「今日はどうしました?」 提督が椅子に座ると、そいつは低く響くバスの声で、なんとも医者らしい余裕を醸し出しながら言うのだった。 「最近寝つきが悪くて。睡眠薬を貰いたいんですが……」 「眠れないんですねぇ。蒲団に入ってからどれくらいで寝れますか?」 「二時間とか、三時間とか。結局徹夜しちゃう日もあります」 「いつ頃からそうなったかとか、分かります?」 「一月前、くらい」 「重症ですねぇ」 医者妖精はひとつ唸ると、仔細顔に何か思案しているようだった。 嫌な予感があった。提督が医務室に訪れるより前にこうならなければいいなと願った展開が、今眼前に再現され始めているらしい悪 寒だった。 「あの、ほんとに薬さえ貰えたら私はそれでいいんですけど」 果たして、言外の意を汲み取られることはない。或いは察した上で黙殺されたか、妖精はにっこり微笑むと 「不眠症、ことにあなたのような入眠障害の要因はストレスです。雑草は地上に生えている部分だけ毟っても、今度はもっと長く再 びにょきにょき生えてくる。根ごと引き抜かなくてはなりません。カウンセリングも平行してやっていきましょう」 さも当然、といった風にのたまうのだった。 「提督職は忙しいんです。中々そう何度もここに足を運ぶわけには……」 「しかし不眠を何時までも放っておくわけにもいかないでしょう? 暇を見つけてこつこつ治療を継続することが肝要です」 「じゃあ、今回だけでもいいんで薬貰えませんか。次はきちんと時間をとって来るんで」 「医者は嫌いですか」 「ええ」 「どうして?」 「カウンセリングされるから、かな」 その小さな身体を揺すって哄笑した妖精ととりあえずといった心緒にはにかんだ提督は、互いが互いに察し合いつつのけん制をするよ うな奇妙な連帯感を覚えるのだった。どちらが譲歩するか、進行する会話が根比べの様相を呈すると、やはり頭を下げる立場にある提 督の方が不利だった。 彼はどれだけ今忙しいのかを説明し、妖精はただうんうんと頷いた。互いに笑顔を保ったまま雑談の皮を被った対決が幾ばくか展開 され、だが結局提督が粘れたのは一刻ばかりである。 「では、また暇を見つけてここに来ます。そのときにカウンセリングと、お薬を」 「なるべく早くに来てください」 席を立つと、キャスター椅子がカラカラ鳴った。 執務室への帰路についたその足に食堂にまで顔を出したのは、決して先に待つ業務を億劫に思ったからではない。もっともどちらに せよ褒められた理由でないことに違いはないのだが、決してサボりの悪癖が頭をもたげたとか、そういった事ではないのであった。実 情はより切実で逼迫している。 食堂のカウンターに顔を覗かせ、一番近くにいた妖精に声をかけた。 「ごめん、間宮さん呼んでくれる?」 幾らくたびれた外見をしていようとも一応はこの基地の最高責任者。声を掛けられたそいつは大きな首肯を一つ、ハチドリのように 駆けていった。 呼ばれ奥からのっそり姿を現した間宮は、もう既に提督の訪ねてきた理由を察しているのであろう。半目に眉をしかめた表情である。 「やぁ、間宮さん。ごめんね忙しいのに」 「私は構いませんけど……。どうかしましたか」 「……お酒ちょうだい」 「またですか」 いつも、何をされようとも鷹揚としている彼女の、露骨に溜息を吐く様というのは貴重だった。指先を額に当てて、ゆるり二、三頭 を振って、彼女は眇めた眼を提督に寄越した。 「今日で何度目ですか? 前回これで最後にするって確かにおっしゃいましたよね」 「予定が狂ったんだ。医務室のけち妖精が、カウンセリング受けなきゃ睡眠薬あげないって言うんだよ」 「ならうければいいじゃないですか」 「嫌だ。ぞっとしないねあんなの。だからお願い! あれがないと眠れない」 「中毒ですよ」 「まさか。誓って言うけど、昼間はほんとに飲んでないんだ。眠る前だけ」 「……今回だけですよ、ほんとに。少し待っててください」 面倒に思われているのか、手こずるだろうと予想した酒の調達は存外にすんなり達成できた。帰ってきた間宮の手にはいつもの一升 瓶が握られ、透き通った液体が中でちゃぷちゃぷと優雅に揺れていた。度数五十の泡盛、この基地においては本来調理酒として使用さ れるはずの物である。 間宮曰く、魚の臭い消しやかえしなど普段使う分には安価な日本酒でも十分なのだが、時折特殊な調理を行うのに泡盛があると味が 引き締まる、とのこと。あまり体質的に酔わない提督にとって、アルコール度数のとにかく高いこの酒がラバウルに給されているのは 都合が良かった。 コップ二杯を一気に飲んで、そのままベッドに横になれば数分のうちに意識が飛んでいる。ホットミルクやら整理体操やら様々試し 果てた末に見つけた不眠解消法であるが、提督とて無論これが危険と隣合わせの野蛮な手段であるという自覚は持っていた。いくら寝 れなくても毎晩は飲まず、最初二、三時間は自力で眠る努力をして、どうしても昼間辛くなりそうな予感のある日にだけこの手段に頼 っていた。 だから決して中毒になっている訳ではない。少なくとも彼自身はそう判じているわけなのだが、カウンセリング中この事実が露呈する のを嫌ってもいるから、深層心理には疚しさを抱えているらしかった。何より、中毒患者には中毒の自覚がないというのが世間一般の 通例的な認識である。 一升瓶を手渡すとき、間宮の目に浮かんだのは憐憫の情なのやもしれなかった。 執務室に戻ると、部屋の中央に置かれたソファへアザラシのように身を横たえた艦娘があった。深緑のセーラー服が縒れるままに白 い大腿やウエストを露出せしめ、特徴的なおさげを胸元に潰しながら、北上はゆったり提督へ一瞥を寄越した。 「遅かったじゃん」 「そう? お前が早かっただけだろう」 この艦娘に相対するとき、提督は口調をくだけさせるきらいがあった。彼女は彼女自身に完結していて、だから心配する必要もなけ れば心配されることもない。現に入渠と改造を済ます間に医務室へ行ってくる旨の事を言ったときも、彼女はその理由も聞かずただ頷 くだけだった。これが吹雪なら事細かに事情の一切を報告しないことには、廊下に出ることさえも叶わなかったであろう。気を遣わな いでいいという居心地の良さが、彼を提督という役職から剥離させてゆくのだった。 「それ何」 提督の手に握られた瓶を指し、北上が問うた。 「泡盛」 「ふぅん。……お酒?」 「強い、酒」 「いいねぇ!」 「いや……あげないよ」 「なんだ。これから酒盛りでもするのかと思ったのに」 興味を無くすや仰向けに臥した北上は、数分のうちにすやすや寝息をたて始めた。このしどけない仕草は特別今日の任務が忙しかっ たとか何かしらの事情に拠るものではなく、いつの間にか習慣として根付いてしまっているただの昼寝である。 彼女は秘書艦としての適性を欠いていた。何事にも向き不向きがあるということを身を持って知っている提督は、だから彼女を責め る事も、ましてや折檻を加える事もしないで、ただ甘く傍観するだけ。最近では寧ろ一緒に海岸線を散歩したり基地を抜け出したり、サ ボりの共犯者を見つけた風なのでもあった。 そんな状態にあっても執務にそれほどの遅れが出ていないのは、不眠の時間がそのままツケの支払いに使われているからだった。と もすると今の自身は、肉体の健康を対価に精神的な安息を獲得している状態とも言えるわけである。そう考えると不眠症を害為すもの として完全に治療してしまうのも、どこか気が引けてくるのであった。 外気とは裏腹、執務室は存外冷房に冷える。北上にブランケットをかけてやってから、提督は執務を再開させた。寝息を環境音に珍し く集中が持続して、ふと顔を上げた時の部屋の暗さにぎょっとするほど。時間の切り取られたような錯覚はしかし眼前に積み上げられ た署名済みの書類が否定してくれて、その高さに自分でも驚くくらいだった。久方ぶりに感じる心地よい疲労、充足感が気だるく窓辺 の夕焼けに融けてゆく。 結局、夕飯の時間になるまで北上は眠り通しであった。 夜分、小腹の空いてくる亥の刻。珍しく脇に佇立し書類の片づけを手伝っていた北上が、つと声をかけてきた。 「ちょっと耳に挟んだんだけど」 「なに」 「改造が済むと、提督って何でもひとつ言う事聞いてくれるんだよね?」 「……どこ情報だよ、それ」 聞いておきながら、その答を知っている彼である。吹雪は素直な娘で、かつ年頃の少女らしく迂闊な面があった。気の置けない友人 に――具体的には睦月などに、虚実織り交ぜたあの過去の話の断片をうっかり口にだしてしまったのであろう。どうしてそんなこと知 っているのかと問われれば、当然その夜のこと自体についてまで話さなくてはならなくなる訳で、それを偶然居合わせた北上が耳朶に したと、そういった顛末が考えられた。 「提督、私、あのお酒が飲みたいな」 露骨に媚びた声を作って、北上は提督の肩にしな垂れた。 「年齢的にだめだろ」 「私って、今何歳?」 「外見年齢的に駄目だろって話だ」 幾ら耳元に囁かれた所で、彼女はまだ深緑のセーラー服が似合う年端もいかぬ少女であった。色気などというものを自然に醸し出せ る訳もなく、ただ外見だけ取り繕った仕草に胸の高鳴ることもない。この提督は既に異性の本質的な性欲の発露を何度も目にしてきて いるから、上辺だけの児戯を真に受けることもなかったのである。 「今の日本に艦娘を取り締まる法律はないよ」 しかし昂然と放たれたこの論理を、果たして覆すだけの舌も備わっていない。結局幾らかの押し問答の後北上がソファに腰掛けて勝 手に杯の準備を始めた段にもなると、もう彼も諦めて食堂から肴を調達しに行くのだった。 間宮の目を盗みつつまず適当なナッツをくすね、それから深皿にこんもりと氷を盛った。食料の保存されている大型冷蔵庫からレモン やライム、更に片隅の飲料保存場所からコーラや牛乳やオレンジジュースを一本ずつ拝借する。加えて炭酸水を引っ張り出してそれら 全部を、危うげではあるが何とか胸に抱え帰路につく。 ストレートで飲むのは睡眠薬の代用としてであって、普通に楽しむ分にはやはり何か割るものが必要である。酒に不慣れなはずの北 上であるから、いっそカクテルにしてしまうのが無難だと思われた。艦娘の身体構造は非戦闘時においては普通の人体に極限まで接近 するとの研究結果もあり、つまりは彼女のアルコールの摂取量にも十分注意を払わねばならないのである。濃度を薄めても味まで薄ま るわけではないカクテルは、摂取量をコントロールするにも都合が良かった。 執務室に戻ると手にコップを弄ぶ北上が、燦爛とした眼を寄越してきた。 「随分、なんかいろいろ持ってきたね」 「色々作ってみようと思ってね。コーラとか、オレンジジュースとか……」 「ロック、だっけ? 氷入れてストレートで飲むんじゃないの?」 「君にはまだ早いよ」 席について、しかし思えば泡盛のカクテルなど作ったこともないのだから、偉そうなことばかり言ってもいられない。日本酒には柑 橘系が合うという話を思いだし、提督はとりあえずオレンジと輪切りレモンと氷とを彼女のグラスにいれて、後から少量の泡盛を注い だ。 「飲んでみて」 「乾杯はしないの」 「……あ、そっか」 毒味させてみることにばかり意識が向いていて、言われるまで自身のグラスの事を忘れていたのだった。提督も彼女のとまったく同 じ物を作り、それから気の抜けた乾杯が行われた。北上が恐る恐るといった様子にグラスを傾け小さく喉を震わしたのを確認した後で、 彼もそれ以上の慎重さをもって中の液体を嚥下する。 きっかり一口飲み終わると、互いが互いを伺うような暫時の視線の交錯があった。映画の見終わった後などにも発生するあの緊張で ある。初手の感想を言うには、まず相手の感想を知っておきたいという矛盾。 「どう?」 先に口を開いたのは提督だが、放たれた文言は逃げ口上のそれだった。北上はいつものポーカーフェイスを幾らか綻ばして、 「これが大人の味かぁ」 と感心した風に言った。 「まずい?」 「ううん。まぁまぁかな」 「それ飲んだら次はコーラだな。色々試してみよう」 泡盛の量が多かったか、少し苦みと酸味の調和が甘みを押し退けすぎている感がある。提督個人としては別段文句のないバランスだ ったが、北上には優しくない味だろうと思われた。まぁまぁと形容した時、彼女の顔に少し苦悶の色が滲んだ事をこの男は見逃さなか ったのである。 都合コーヒーシロップを幾つか持ってきていたので、北上のグラスに一つ入れた。果たして酒に調和するか不安があったが、彼女の 一口あたりの消費量が増えたことから味に問題をきたす結果にはならなかったようである。 オレンジ割りを飲み終える頃には、彼女の頬は淡く色づいて少し上体も揺れていた。 「酔った?」 「たぶん、大丈夫。コーラちょうだい」 濁った眼に提督を見据え、小首を傾げて催促をした。グラスを差し出そうと屈んだ彼女のセーラー服の隙間から、色白い鎖骨が映え ていた。薄地のキャミソールが膨らむように垂れて、あわや下着に縁取られる胸元の曲線まで露わになりかけていた。 背徳の情感に思わず提督は目を逸らして、彼女の身を案じる言葉も出てこずに机の上のコーラ瓶に視線を集中させた。たとえどれだ け女の裸に耐性があろうとも、歳をとってしまうと幼年者への色情には敏感になるものである。 端的に言えば目のやり場に困る状況と形容できるが、実際にはそんなコミカルな言葉にはまとめきれない深刻な問題をも孕んでいた。 北上は目尻に皺を寄せ、口角を釣り上げ――つまりは提督を誘惑する意図を持ってわざと胸元を見せていたのである。 それを認めたときの彼の思惟は、まず何故という疑問の念に支配された。無論仲の悪いことはない。しかしそれでもたかだか一ヶ月 の付き合いであるし、到底身体を許す間柄にはなり得ない親密さであったはずなのだ。 年の功とも言えるか、彼の選択した手段は理性的であった。北上のグラスへコーラ瓶を傾けつつ、空いていた方の手は自身の胸元へ 伸ばされて、人差し指と中指にとんとんと胸骨を叩いた。 「見えてるぞ。隠せ」 「んぅ? あぁ……」 北上がしらじらしく上着の背中側の裾を引っ張ると、胸元の垂るみはきゅっと締まった。たったそれだけの手間で露出を無くせられる のだから、やはりわざと見せていたということなのであろう。あきれた風に極短い嘆息をついたのも、その証左なのだと思われた。 コーク泡盛を一口、舐めるように飲んだ後、彼女は意を決したように上目遣いに切り出した。 「ねぇ提督。怒らないで聞いて欲しいんだけどさ……」 「もう既に少し怒ってるけど」 「……あぁー、そう、なんだ」 牽制の言葉は一定の効果を発揮したらしい。口を噤み顔を横に向け半笑いに頬を掻く北上の様子を見て、提督はこの気まずげな沈黙が ずっと続てくれることを願った。ここで話題が終わってしまえばこれがただの思い過ごしであったのだと、何も深刻なことなどなかっ たのだと、各々の心の裡はどうであれ体面は何とか繕われるわけである。 だが現実には、彼女の仕草はほんの少しの躊躇いを表していたに過ぎず、たった十何秒かの沈黙の後彼女は膝に手を置き身を乗り出 して続きの文句を口にしてしまったのだった。 「私を、抱いて欲しいん……だけど」 怯えと緊張とを含んだ作り笑みに、僅かに正面から背けられた顔。それでいて視線は提督をまっすぐ射抜き、眼には媚びの色が顕れ ている。 返答の文言を捜すのに手間取っているうちにその無言を肯定と解釈したか、北上はソファから腰を上げて彼のすぐ正面へと立った。 黒のスカーフの結び目へ、細く艶やかな指が伸びた。手品のような器用さにほとんど撫でるのと変わらない僅かな動きの中で、いつ の間にかリボンは解かれ、皺だらけに膨らんだ布が二房垂れ下がるだけになる。 「冗談はよしてくれ」 結局逸る思惟においては、月並みな言葉しか浮かばないのであった。 「提督もさぁ、溜まってるんじゃないの? ここに赴任してきてもう二ヶ月だし」 「私が君達と信頼関係を築くのはそれが仕事であるからだ。……言っている意味はわかるな。それ以上ふざけたことを言ったらぶつ ぞ」 怒気を孕ませた声音は、計算の上に作られたものである。そもそも彼には、毛頭打擲気する気などない。彼女の突然のこの狂態には 当然理由があるはずで、それを引き出すためにはまず何より彼女に冷静さを取り戻させる必要があったのだ。 ほんの少し、屈辱的な発言に対する本心の怒りを織り交ぜて、酔いの興奮を沈めさせる空気を演出する。提督の思惑は一縷の差異無 くこの執務室に展開されたが、北上の暴走はそれにもめげない強固な意志に基づくものであった。 「ごめんね提督。でもぶたれたくらいじゃ、艦娘の装甲には傷一つつかないよ」 泡盛の一升瓶へ手を伸ばし、それから提督の方へ身を乗り出すと、彼女は空いているほうの手を彼の胸元へ置いた。 提督の迂闊は、つまり目の前の娘が尋常ならざる兵器であるという事実を忘れていたということだった。押さえつけられた胸には欠 片も圧迫を感じない。だのに気付けば、ソファから尻を浮かせるどころか、ちょっと身を捩ることさえもまったく叶わないのである。 それこそ彼女の骨は全て鋼鉄によって形成されていて、この華奢な腕の指の節までもが何万馬力の油圧機構を持っていると言われても 不思議には思えないくらいだった。 三つ編みが暴れるほど大仰に一升瓶を呷った北上が、口腔へ留めた液体に頬をぷっくり膨らませて、乱暴に提督へと口付けた。 大方、驚きの念はあまり無い。ただここから場をどう収めればいいのか、その方法が思いつかず苛立ち焦っているだけだった。 ぬたつく舌と触れた箇所悉くを熱く焦がす液体が、容赦なく口へと割り入ってくる。子供が悪ふざけでするように一気に頬を凹ませ 流し込んでくるものだから、口の端からは相当量の泡盛が零れ落ちてスラックスをびしゃびしゃに濡らしていくのだった。最後口の中 にまだ泡盛が無いか、確認するように一巡舌を廻らして、彼女はようやく身を離した。 嚥下してからアルコールの吸収されるまでの僅かな時間が、彼女を説き伏せる最後のチャンスとなるのであった。しかし北上は既に 二口目の泡盛を呷っていて、 「待て……」 提督が明瞭に発音できたのは、たったこれだけであった。再びの口付けと口移しの悦楽が、後の言葉をただのうめき声と化けさせた。 それから何巡とその行程が繰り返されたのか。息が浅くなり頭の重みが厭に大げさに感じられ、その場に流れる空気、ソファの柔ら かさ、胸を押す掌。そういったものの実感が随分希薄になっている。時間の流れさえ正しく認識できなくなって、現実が自分から乖離 してしまったような感覚が容赦なく彼の思考を霧散させていった。 熱病に臥した病床の上と似たような思惟の霞み具合だった。だが彼女の香りは克明に肺臓から脳幹へと突き抜けて、口移す物もない ただの睦みとなったキスの甘美もより生々しく、性の感触だけは寧ろより鋭敏に彼を苛んだ。 スカートのファスナーが降ろされる。ショーツの淵とそこから伸びる滑らかな大腿が、鋭角に露出してゆく。留め具を摘む指からふと 力が抜けた一瞬、引っ掛かりを無くしたそれは力の抜けたように地面へと転落していった。 下肢の完全に露わになった羞恥に駆られながら、だが北上の思考は依然として沈着と目的の達成を目指していた。それは例えば提督 を篭絡させるだとか独占するというのではなく、性行為という手段そのものが即ち目的となっているのである。北上は彼のことを恋慕 っているわけではなかった。 艦娘として、人の意識を持つ生物として現代に転生建造された彼女の、まず地に下り立ち最初に抱いた感情は、人と同じ生を謳歌で きるという未来を前にした喜びだった。呼吸をして、二本足に歩いて、口を使ってものを食べ、瞼を瞑って眠りに落ち、鼓膜が音を手 繰りよせ、触れた指先が感触を伝える。そういった人の当たり前を自分が体験できるという事が嬉しくてならなかったのである。 彼女が人類種へ憧憬の念を抱いたのは戦後の復員輸送任務がきっかけだった。当時足を無くしていた彼女は工作艦として、鹿児島に 停泊する復員輸送艦の改修整備にあたっていた。あの忌々しきクレーンが艦を直し、ひいては海外に残された人々を助けるのに役立つ。 本土の地を踏む元海兵を見るたび、安堵と誇らしさを綯い交ぜに、またどこか羨望の念をも感じてしまうのだった。彼らにはこれから 帰るべき故郷があり、何もかも無くなった日本を復興させるという使命があり――長い未来が待っている。解体されゆく自身とは対照 的なその姿が、生を謳歌する事への強烈な憧れを胸に刻み込んだのだった。 男を知る絶好の機会を前に、果たしてこの娘に欲求を押さえ込むことなどできるわけがなかったのだ。バックルを緩めさせ濡れたス ラックスと下着を強引に剥いでも、提督はもう僅かな身じろぎさえしなかった。性交という、人が生命維持に支障のないものの中で最 も執着する行為を実践しているということが、彼女の中で性的な意味外の興奮を呼び起こさせているのだった。 既に陰茎は充分な硬度を持っており、彼女の眼前にいかめしくそり立っている。生娘の下手なキス程度で、しかも泥酔した上で相手 から一方的に舐られた程度でこんな有様になっているのは、その行為に至るのがただ久しぶりであったためである。つまりは極当然の 生理反応としてそうなってしまっただけの話なのだが、北上は自身の技の純然たる結果によるものと誤解し、性への自尊心を高めるば かりなのであった。 まだ僅かばかり胸の裏に残っていた知識の欠乏を基にする慎重さが、この謬解によって失われてしまった。或いは血管を這いずるア ルコールが、彼女の判断力を鈍らせていたのやもしれない。提督に覆いかぶさるようにソファへ両膝を乗せた北上は、ショーツまで脱 ぎ去るのは恥ずかしく、必要なところだけの布地をずらし彼の先端をそこへとあてがった。 淫裂は触れた指を湿らす程度には濡れていたが、処女を散らすには不足だった。戦場に身を置く艦娘の稟賦としてある程度の豪胆さ を持ち合わせている事、また目的を達成するにあたり過程に頓着しない性格であったのは不幸である。北上は深呼吸の後、足の力を抜 き去って彼のものを一気に最深にまで迎え入れた。 「……痛っ、ぃ! っぐぅう……!」 牛挽きにあった時絶命に至るまでに感じる痛みはこれと同じものであろうと、北上は千々に裂かれ霞む頭に思った。額に珠の汗が滲み 目尻から涙が溢れる。犬のように速まった息が情けなく思えて無理に腰を動かそうとするも、少し力を入れただけで鋭く尖った氷の粒 が脊髄を這い上がるような、烈しい痛みに苛まれた。 ぬたりと、滑る感覚があった。最初その要因を愛液によるものだと思ったのは、男性の感触を得た身体が痛みへの対応に敏捷に反応 を寄こしたのだと考えたためであった。だから視線を下に向けたとき、結合部からソファへ滔々と血の流れ出ている様を目にして、北 上は非常に大きな衝撃をうけた。 彼女にも破瓜の知識はあったが、まさかソファを真っ赤に穢すほどにまで血が溢れ出てくるとは思ってもみなかったのである。大し て濡れてない処女の秘所へ一気に肉槍を突き立てた結果、膣壁に大きく外傷を負ってこんな惨事になったわけだった。つまりは不注意と 慢心による当然の結果である。 提督の肩に手を置いて、何とか腰を浮かせて引き抜いた。栓を抜いたみたいに、ごぷりと音の鳴ったような気がした。色白の太もも に一筋、二筋と血の轍が刻まれ、それらは膝にまでするする滑り降りると朱色の水玉模様をソファへと描いた。 横目に提督のものを覗き見ると、またその外観もグロテスクの極みにある。先から根元までべっとりと、原色の油絵の具にまみれた 様に紅色に染まりきっており、段々萎びてゆくのが深海生物の触覚を思わせた。 到底、行為を続ける事などできない。さしもの北上とて、そう結論付けざるを得ない状況であった。腰はまだズキズキと、焼けた鉄 杭に刺されているかのように痛んでいる。辺りには何か、血の香りも漂っているらしかった。明確に吐き気まで感じないにしろ、それ に類する内臓からの気持ち悪さが彼女の気を萎えさせていた。 提督は既に昏倒しているから、たった一人の力によってこの処理を済まさなくてはならないのである。今更の悔悟と自嘲の念が、胸 の内を虚しく埋めていった。彼の血染めの半身を拭うのにティッシュ一箱のうちのほとんどが消費され、僅かに残った四、五枚ばかり をずっと痛むそこに宛がっている。 そういった段に、心がぽきりと折れたらしい。もう後片付けをする気力もなく、ショーツを履くのさえ億劫に思え、気付けばそんな 無様な姿勢のままに眠りに落ちているのだった。 翌朝は悲鳴によって目が覚めた。意識を失ったタイミングがまったくバラバラであった両者だが、この起床については同時になされ たもので、またクロック数の落ちた脳内に言ちた言葉も同一のものだった。即ち、しまったと思ったのである。 開け放たれた執務扉の前でまるで殺人現場でも見たかのように口を手で覆う吹雪は、二人の視線を受け止めると走ってその場を後に した。慌てて時計を確認すると時刻は七時を十五分過ぎた頃合。朝食に来ないのを心配して様子を見に来たところこのような惨状を目 にしたと、そういうわけであるらしかった。 自身の手元、ソファの上に血の染みを認めて、提督はひとつ嘆息を吐いた。それは複合的な要因に思わず口から漏れ出たものであっ たが、中でも彼の心緒を一番に傷つけていたのは、北上に迫られている最中、自身の細君の存在をすっかり気にかけていなかったのを 思い出した事だった。確かに忘却することを望み、またラバウルではその存在をなるたけ認知しないように振る舞ってきた彼であった が、まさか貞操に関わる事態にあってまでその姿勢が維持されるとは思わなかったのである。世間からは愛妻家との評価を得ていた。 また自負もあった。最近の不眠の遠因にはホームシックがあるのだろうし、毎日日記に向かう間だけは戒めを解いているのだ。 提督は何か空恐ろしくなって必死に本国の自分の家の外観、内装、それから妻の顔立ちから身体の肉付きを脳内の虚像に思い浮かべ た。それは解き方のわかっているパズルを一から組み立てるようなごく簡単な作業であった。事実記憶は鮮明に滞りなく溢れ出てくる ようであったが、終わってみると額からは珠の汗が流れ、手はガタガタ震え、息は詰まっている。 「提督。ごめん……なさい」 彼のそんな表情を曲解したか、北上の声音は彼女にしては珍しいほどの真剣さであった。 「謝るなら最初からするなよ馬鹿」 「うんまぁ、ね?」 眠りから覚めて以来、初めての発声は幾らか思考を現実的にさせた。吹雪への弁解をどうするか考えながら眼は敏捷に彼女の様態を 確認し、今後すべき事をその重要性によって順序立ててゆく。 「どこまでやったんだ」 「提督ぅ、それ聞くの? そりゃあもうズッコンバッコ……」 「真面目に答えろ」 寝起きの悪い提督である。本人にそんなつもりはなくとも、その声音にはある種の凄みがあって、北上は慌てて襟を正して真面目に 受け答えするようになる。 「挿入れはしたけど、痛すぎて抜いちゃった。それでそのまま血拭いていたらいつの間にか寝ちゃったらしくって」 「入渠してこい」 「いや、大げさだよそんな」 「人間なら病院送りにさせられるような案件なんだよ。風呂に入ってればなんでも治る便利な身体してるんだから、言う事聞いてさ っさと行ってこい」 自身の非人間性を指摘されたように思え北上は少しの怒りを覚えた。だが、現在の立場上まさかそれを大っぴらに発露させるわけに もいかず、大人しく頷いて側に放られたスカートとショーツを身につけるのだった。 どうせシャワーを浴びたいとは思っていたんだと、心の中に呟く事でわだかまる感情を押さえ込んだ。いざ執務室を出ようかという 時、不愉快を背負ったその背中へ提督は言葉を継ぎ足した。 「昨晩の事は忘れよう」 「……うぅん。一生に一度は言われたかった台詞だねぇ」 「少なくとも私は忘れるからな。今後私の前でこの日の話をする事を禁止する。いいな」 「こんなイイ身体の味を知って、忘れられるの?」 北上の冗談に対し、彼の返答はあまりに辛気臭かった。 「忘れる事は得意なんだ」 吹雪の心情は、この一ヶ月捏造を畳なわらせるばかりであった。自覚無き思慕の念は、熱情の合理的な解釈を求めるあまりに歪な形 へと改められた。即ち嫉妬は不信へ、寂寥は屈辱へ。滾る感情の答えを彼への慕情と求めるのを、意識の埒外に避けていた。彼女の生 真面目さが僅かでも淡く、律儀さが少しでも緩かったならば、あるいはこの歪は生まれなかったのやもしれない。非倫理的な感情を肯 定するある種の図々しさを持ち合わせていなかった事が、良くも悪くもこの少女の運命を決定付けた。身を寄せ合い眠るあの二人の姿 を目にしたとき、彼女は思惟の歪みを矯正する機会を永遠に失ったのである。 一ヶ月前の業務引継ぎの時、吹雪は北上の態度や雰囲気を決して快く思っていたわけではなかった。提督の自堕落な性質を鑑みれば、 ある程度の真面目さを持たない者に秘書の任など務まらないことは明白だと思われた。何事も楽なほうへ逃げようとする北上の稟性を 感じた彼女は、表情にこそ出さなかったものの胸の内に敵愾心を強めていた。 秘書の役職を解かれることについて、どこか面白くない思いを抱いているという自覚はあった。吹雪はその由来を、彼と接する時間 を奪われる事への嫉妬として解したのではなく、提督を支えるにふさわしくない艦娘が役職に宛がわれたという不信に押し付けたのだ。 業務がどんどんと滞っていって、最終的には自身に泣きつき懇請する提督の姿を妄想しては、湧き出す苛々を収めている。 一週間が経ち、二週間が経ち、寧ろ仕事の能率が上がっているらしいことが知れたとき、彼女の絶望は甚だしかった。自分勝手なこと と知りながら、酷い裏切りにあったかのような烈しい怒りを覚えたのだ。 ある日の廊下では、二人が親密そうな様子に会話している場面を見た。自身の部屋の窓から、二人が仕事を放り出して海岸を散歩し ているのも目にした。自身には見せた事の無い彼の気散じな笑顔が、子供と大人、部下と上司、そういう隔たりを意識させ、一層募る はずの嫉妬の念もただ歪んでゆくばかり。 少女の繊細な心は泥沼の苦しみに苛まれ、三週間も過ぎると毎晩涙が枕を濡らしていた。逃げ道の無い責め苦の続いたこの一ヶ月はま さに彼女にとっては地獄の季節で、それを耐え抜いた果てにまみえた結末があの情事の場面だったのである。 その夜、秘書職に復帰できる喜びを抱きながら久方ぶりに穏やかな心緒に眠りについた。目覚ましより早く希望の焦燥に目を覚ました 彼女の、その時の心情などもう語るには及ばないだろう。執務室を飛び出した後、だが呼吸は驚くほど静謐だった。 遅れて食堂に入ってきた提督に対して、吹雪は事情の一切を聞かなかった。彼に対しては、あの場面を見たことをすっかり忘れたか のように振舞うと腹を決めたのである。彼女なりの決意の示し方は、奇しくも彼と同一の方法だった。 その日の朝食が済んだ後、入渠施設から艦娘宿舎へと通ずる外廊下に立っていると、一刻もしないうちに当の北上が恬然とした様子 に歩いてくるのが視界に入った。遅れて吹雪に気がついた彼女は一瞬露骨に顔を顰め、それから何か諦めたように短く嘆息をつき、彼 女の前に立ち止まるのだった。 「どうかしたの」 至極迷惑そうな語調に臆さず、吹雪は訥弁ながらに言うのだった。 「北上、さん。……提督には、奥様がいます。……に、日記に書いてあったんです。私、隠れてそれを読んで……あの、信じてもらえ ないかもしれないですけど、本当のことなんです。提督には本国で帰りを待っている奥様がいます」 聞き終え、北上の慧眼はすぐさま吹雪の欺瞞を見抜くのだった。話された内容の真偽などどうでもよい。重要なのは吹雪が倫理を盾 にして、彼と自身との関係を消滅させようとしている事そのものであった。熱情に浮かされ潤んだ吹雪の瞳を見れば、これが純然たる 正義感によって放たれた言葉ではない事など楽に知れた。 即ち吹雪はただ嫉妬しているだけなのだ。その感情が醜いと思うから、倫理的問題を隠れ蓑にして行為を糾弾してくるわけなのであ った。 「今後提督とはお酒を飲まないし、夜を一緒に過ごしたりもしない。誓って約束するからここを通してくれない」 「……本当に約束してくださいますか」 「本当に、約束するよ」 一歩、二歩と横にずれると、北上は荒々しい歩調に歩き出した。 「……やっぱ駆逐艦ってうざいわ」 擦れ違いざまに明確な悪意を持って放たれた罵言は、吹雪の純粋な心に傷を与えた。それが端緒となって、わだかまっていた想いの 数々に一時の間に胸が一杯になって、吹雪は堪らずその場に頽れて嗚咽を漏らした。 もう彼への慕情を認める術は残されていなかった。提督には既に結ばれた人がいる。故にああいったふしだらな真似はするべきでは ない。北上を責め立てた文句はそのまま彼女自身にも向けられていた事だったのだ。公然とそれを口にしてしまった手前、今更掌を返 せるわけもない。彼女の心を苦しめる最たる要因は、彼女の生真面目な性質そのものであるのだから。 吹雪の初恋はこうして、始まらずして終わったのだった。 『十一月一日 今宵月冴えわたりぬ。南国に漸く秋の色滲みたり』 <完> + 後書き 120 :クズ ◆MUB36kYJUE:2015/06/09(火) 00 11 18 ID 3E66EVT6 以上で完結です ほんとうに長々と失礼しました これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
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「決まりましたか」 「うん。ラストは加古でいいや。暫く出してやってないし、たまにはブッ飛ばされたほうが気合い入るだろ」 軽く笑いながら明日の演習の行程表を渡してきた提督に、秘書艦である神通は困ったような微笑を浮かべた。 「本当に。…お強くなられて」 「うん?」 神通の小さなつぶやきに、提督が顔を上げた。小動物のような、それでいて独特の真剣さを持つ彼女の瞳を、問うように眺める。 「覚えておられますか?ここへ着任されて、最初の演習。貴方は」 「あぁ。あれは忘れるはずないよ」 失敗すれば恥をかく、判断を誤れば誰かが傷つく。 初演習の指揮を嫌がって逃げた新米提督に、平手打ちの一発で目を覚まさせたのは、彼女だった。 「第一印象も、普段の態度からも、正直、君はもっと弱い人だと思ってた。だから」 あれは効いた、と大げさに頬を抑えて若い提督は言った。 「…弱いですよ。私は」 細身の眉をひそめたまま、軽く頬を染めて、呟くように神通は応えた。 その特殊な家柄から積まされる経験のひとつに過ぎない、学卒直後の若造の、実戦も無しの三ヶ月。 …のはずだった『お飾り提督』期間は本人の強い希望により延長に延長を重ね、ついに一年を超えた。 まだまだ未熟さも目立つが有能な秘書艦のサポートもあり、実戦も経験、上も認める成果は着実に積み重ねられている。 既に互いを信頼する絆は、成熟の域に達しているという自負が彼にも彼女にもあった。 *** 「…神通。ちょっと…良いかな」 ふと執務の手を止めた提督の、熱のこもった視線が、神通を捉える。 二人きりの時間をここ執務室で、彼の私室で、そして――ベッドの上でまでも多くを過ごした今は、彼の心の灯はすぐに察せされる。 言われるままに近寄った彼女の唇を、立ち上がった提督は瞬時に奪い。 その余韻の醒めないうちに、耳元で何事かを囁いた。 神通の端正な顔が、みるみる紅潮する。 「…今から、ですか…」 「…いつでも君は、僕のやる気を引き出してくれる」 上手いことを言った御積りですか、と赤くなったまま再び呆れ顔を見せる彼女に、再度の口づけ。絡める舌に、神通の表情が蕩ける。 「君の困り顔は、本当に好きなんだ。なんていうか…我慢出来なくなる」 それ、褒めたつもりですか、と言いながら神通は、導かれるままに愛しい彼の分身に衣服の上から柔らかな唇を当てた。 底知れぬ熱さと、屹立の萌芽が、布地の奥に感じられた。 *** 「ん…」 夕日の差し込む、黄昏時の執務室。 立ったままで白い制服の裂け目から突出したそれの裏筋を、先端を、神通は床に座り込み、柔らかな舌で丹念に舐め上げる。 「もう…こんなに……」 上目遣いに提督の表情を確認しつつ、愛おしげに両手の指先で撫で、形の良い唇がその先端を微かな水音を立てながら吸う。手のひらの感触が、熱い吐息が、性器全体を包み込む。 これまで教えられた通りに手と口とで一心に奉仕し、ときおり逆の手で美しい黒髪を掻きあげる様にすら、提督の牡淫は激しく昂ぶらされる。 綺麗な人だ、と場違いな感想を提督は持った。 「…っ」 やがて。堪え切れない快感の堰が、彼の芯を震わせ―― 「神通…もう………ッ!」 「……!」 座して奉仕する女の頭を抑え、柔らかく熱いその唇中に無意識に自身のそれを深く深く突き込んだ瞬間、堪えられない快楽がどくどくと、大量に解き放たれた。 こくり、と従順な白い喉が鳴った。 「………立てるかい。…急にごめん、なんだか最近は、また我侭ばかり言ってるかもね」 「いいえ、提督のお役に立てたのなら…」 放心したように立ち上がった神通に、で、君のほうはどうなんだい、と提督が問う。 「……………身体が、……火照ってきてしまいました…」 そう。その顔が、堪らないんだ。 にやりと笑いながら提督は彼女をひょいと抱え上げると、あわあわと混乱する彼女の声を無視し、夜戦に突入すべく共に私室の扉の奥へと消えた。 *** 「そこ!転進が遅い!沈みたいんですかッ!?」 改二の艤装に身を包んだ彼女が、駆逐艦を指揮する声が窓の外から聞こえる。 『華の二水戦』と呼ばれた精鋭集団のリーダーの姿が、眼下にあった。 「突撃します!私に続いて!」 ひた走る彼女の後を、ふらふらと駆逐艦達が続く。 …鬼教官。 呟いて、苦笑する。 強くなろう。僕も、君も、鎮守府も。もっと、もっと。そして―― 「さぁ、砲雷撃戦…開始します!」 もう二度と平手は喰らわないように注意しないとな、と頬を撫でながら提督は再び心に誓った。 これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/